教育委員などの<報酬>は適正な額?
毎月の「教育委員会」の会議。教育委員のお歴々は、1時間ほどの会議に出席して、少しコメントするだけで<報酬>がもらえます。上尾市には他にも「特別職で非常勤」の方々がたくさんいます。その報酬の額は適正でしょうか…?
No.109
■「教育委員」「職務代理者」とは?
月に一度の定例の「教育委員会会議」。司会進行は教育長、出席者は「教育長職務代理者」1名+「教育委員」4名のお歴々に加えて「教育委員会事務局の面々」が出席します。市役所7階に足を踏み入れたことのない市民の方からすれば「教育長のほかに職務代理者がいるの?」と思われるかもしれません。
教育行政に関心があっても、「教育長職務代理者とはどういうものか」について理解されている市民の方は少ないでしょう。
市民の方と話していると、「教育長」と「教育委員長」を混同されている場合もあります。
「教育委員会の長だから教育委員長だろう」と思われるのも無理もないことですが、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が改正されたことにより、以前の「教育委員長」と呼ばれた職は、現在「教育長職務代理者」となっているのです。
上尾市では2016年4月1日に臨時の教育委員会を開き、それまで「教育委員長」だった細野氏が「教育長職務代理者」となっています。
■教育委員の報酬は適正?
「上尾市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例」で、教育長職務代理者は月額75,000円、教育委員は64,000円となっています。これを公開されている2020年4月~7月の「会議の所要時間」で見ると、次のようなことが分かります。
月別 | 会議所要時間 | 職務代理者報酬 | 教育委員報酬 |
4月 | 62分 | 75,000円 | 64,000円 |
5月 | 76分 | 75,000円 | 64,000円 |
6月 | 62分 | 75,000円 | 64,000円 |
7月 | 64分 | 75,000円 | 64,000円 |
計 | 4時間24分 | 300,000円 | 256,000円 |
時給換算 | 68,182円 | 58,182円 |
これだけの報酬が上尾市の税金から支出されています。毎月の教育委員の発言から考えて、これが安いか高いかは、当ブログをお読みの方はすでにお分かりのことと思います。なお、8月は教科書採択の関係で、いつもよりは会議に時間がかかったようですが、会議録公開前の暫定時間で8月分まで計算すると、職務代理者が時給34,938円、教育委員が29,814円となり、超高額の時給であることに変わりはありません。
■まだまだある「高額報酬」
上述の「上尾市特別職の職員で非常勤のもの」は、教育委員だけではありません。条例では様々な職の報酬が定められています(条例の「別表」を参照してください)。ブログ筆者が関心を寄せる職の報酬を見ると、次の額になっています。
監査委員 | 月額 75,000円 |
情報公開・個人情報保護審査会 (会長) | 日額 16,000円 |
同上 (委員) | 日額 15,000円 |
空家等対策協議会委員 | 日額 6,000円 |
上平地区複合施設検討委員会(委員長) | 日額 16,000円 |
同上(委員) | 日額 15,000円 |
図書館協議会(委員長) | 日額 7,000円 |
同上(委員) | 日額 6,000円 |
いじめ問題調査委員会(委員長) | 日額 16,000円 |
同上(委員) | 日額 15,000円 |
投票立会人(投票時間の1/2超) | 日額 10,900円 |
期日前立会人(投票時間の1/2超) | 日額 9,600円 |
はっきり言って、監査委員の月額75,000円は高すぎます。ブログ筆者が起こした住民監査請求は年に1度あるか無いかですし、監査委員により毎月監査が行われているのでしょうか。なぜ月額なのかも含めて情報公開請求することも必要かもしれません。
また、実質的に機能しておらず、ただ年に1回集まるだけの「いじめ問題調査委員会」の委員に日額15,000円は出し過ぎでしょう。委員の内の一人について、国際学院中学高校に推薦依頼しているのも、根拠が無く説明責任が問われます。
「上尾市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例」の適用を受ける職が58種類もあり、それぞれ報酬の額が異なることや、実質的にどのような業務や会議がおこなわれているのか、もう少し詳しく調べてみる必要がありそうです。