市民への配慮が足りない教育長&市教委事務局(教育総務課)

今記事では、4月22日に開催された「教育委員会4月定例会」についてお伝えします。とは言っても、中身のことよりも、むしろ「入口」のことについてです。そこから見えてくるのは、教育長&市教委事務局の市民への配慮の足りなさです。

No.155

🔷前回より多かった傍聴希望の市民
4月22日の「教育委員会4月定例会」は、市のHPに掲載されただけにもかかわらず、多くの市民や市会議員が傍聴を希望しました。

(他の会議は市役所1階の情報公開コーナーや公民館に開催文書が事前に掲示されますが、教育委員会の会議はHPのみ掲載という状況です。その理由を明らかにするために、現在別途情報公開請求中です。)

傍聴希望が増えた理由は、当ブログの以前の記事多くの市民が市教委の「危うさ」に気づきはじめた>でもお伝えしたように、上尾市教委が強引とも見える手法を使って、学校の統廃合を推し進めようとしていることへの市民や議員の関心のあらわれであると言えます。

🔷露呈した教育長&市教委事務局の「配慮の無さ」
私もこのところ毎回教育委員会の定例会・臨時会を傍聴しているので、「9時15分から受付」というHPの記述にしたがって、市役所7階教育総務課前に着いたのが9:18でした。
ところが、すでに到着していた傍聴希望の市民の方たちが「抽選棒」を引くよう教育総務課の職員から指示されているのです。こうした光景を私は見たことがありません。

「上尾市教育委員会傍聴人規則」では、次のように謳われています。

(傍聴の手続)
第2条  会議を傍聴しようとする者(以下、「傍聴人」という。)は、開会までに傍聴受付簿に住所、氏名及び年齢を記入しなければならない。
2 傍聴の許可は、先着順に行うものとする。
3 傍聴人の人数は、傍聴席の状況により、教育長が定める。

ここで重要なのは、3の「傍聴人の人数は、傍聴席の状況により、教育長が定める」という点です。
なぜ教育委員会4月定例会の傍聴を希望する市民が多かったのか、それは、上述したように、多くの市民が関心を寄せる議題(協議:上尾市学校施設更新計画基本計画案)が含まれていたためだと考えられます。
その証左として、3月4日の臨時会は7名、3月24日の定例会の傍聴者は9名と、回を追うごとに増えているのです。

すなわち、学校の統廃合という大問題について市民の関心が高まっている現状を把握していれば4月定例会における傍聴希望の市民が増えるであろうことは、教育長として容易に推測できることですし、それにふさわしい「傍聴人のための席」を確保するのは当然のことです。
請求人が見たところ、同じ7階の大会議室は空いているようでしたし、市議会棟の部屋なども空いていた可能性があります。

そのことに思い至らないのは教育長だけでなく、市教委事務局とりわけ教育総務部長や課長の責任でもあります。

🔷市民に対する教育委員会の無策と冷たい態度
結局、「4月定例会」においては,10名の傍聴者が教育委員室の中に入り、私は廊下で中の様子を聞く、ということになりました。
(廊下から見ると、教育委員室の中は、コロナ対応を考慮したとしても、あと2~3名の傍聴は可能なスペースはありました。)

実は、このような状況となったのは、私が「換気のためにも教育委員室の入口ドアを開放してほしい。ドア付近の廊下に私はいる」と教育総務課長に口頭で申し入れた結果であり、教育長や教育委員、教育委員会事務局職員からは何らの打開策も示されないというありさまでした。
しかも、教育総務課の職員(カウンター側の職員たちを含む)は、市民が困っているにもかかわらず、「見ないふり」「聞こえないふり」をして、「私には関係ありません」という冷たい態度に終始していました。

🔷教育長の無策ぶりがまたもや露呈
すでに述べたとおり、市民の関心の高い議題があると考えられる場合、教育長は傍聴希望の市民のために十分なスペースを確保すべきです。

ここで、あらためて教育長としての資質と要件を確認すると、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)第4条において、「人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもの」とされています。
このことに関して、木田宏『地方教育行政の組織及び運営に関する法律 逐条解説(第四次新訂版)』では,次のように解説されています(私が「逐条解説」を引用する理由は、情報公開請求の折に、とりわけ教育総務課の職員は、何かと言えば「逐条解説」を持ち出すからです)。

教育長は,教育委員会の会議を主宰するだけではなく,事務局職員を指揮監督して具体的な事務執行を行う立場であることから,単に教育,学術及び文化に関し識見を有するだけではなく,「教育行政」に識見を有することが必要である。

上述の「上尾市教育委員会傍聴人規則」によれば、「傍聴人の人数は、傍聴席の状況により、教育長が定める」とされています。また、「4月定例会」では,多くの市民が関心を寄せる議題(協議:上尾市学校施設更新計画基本計画案)が含まれていたため,傍聴希望者が多かったと考えるのが自然です。

すなわち、教育行政施策等について現在市民が何に関心を寄せているか(現在は、とりわけ学校施設更新計画問題への関心が高い)について、「教育行政に関し識見を有するもの」である教育長としての配慮があれば、「4月定例会」における傍聴希望の市民が10数人いるであろうことは、容易に推測できることです。

今回のことは、教育長の無策ぶりがまたもや露呈したと言えます。

🔷柔軟性がある図書館協議会の傍聴
その一方で、同じ教育委員会でありながら、2020年2月に開催された「第4回上尾市図書館協議会」の傍聴では、「定員5名」とされていたにもかかわらず、6名の傍聴が許可されています
(会議録を参照してください)→
 図書館協議会会議録

この会議は私も傍聴しましたが、「せっかく来ていただいたので、出来るだけのことはします」という対応が分かるものでした。
すなわち、教育総務課職員の対応とは真逆であると言えます。

市民がせっかく足を運んだにもかかわらず、教育長や教育総務課長の無策により、廊下で部屋の中の話に聞き耳を立てなければならない、というような状況については、今後のこともあるので、何とか改善していかなければなりません。
5月以降も「学校の統廃合計画」は強引におしすすめられようとしています。ぜひ十分なスペースを確保したうえで、市民に開かれた教育委員会会議の開催を強く望むものです。

“市民への配慮が足りない教育長&市教委事務局(教育総務課)” への2件の返信

  1. 早く辞めればいいのに、と思いますよ。
    (辞めても、同じようなのに代わるような気もしますが)

    今の教育長の任期は、いつまででしたっけ?

    1. 池野教育長の任期は、2022年3月末まで。
      そのあともさらに続けるとは思いませんが、後釜として「誰か」から声がかかるのを待っている校長たちが数名いるのではないかと思います。
      そこには、次期教育長就任に関して、市民に向けての公開性・透明性は全くありません。
      むしろ、次の教育長に相応しい人が、「私が次やります」と手を挙げ、「子どもたちや保護者、市民に納得され、信頼されるよう、上尾の教育に責任を持ちます」と言ってくれたほうが、よほど上尾のためには良いと思います。

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