市図書館の「利用者アンケート」を提出する際の「手がかり」を考える

現在、「第3次上尾市図書館サービス計画 モニタリング調査」という目的で、上尾市図書館「利用者アンケート」が実施されています(期間は 4/4 から 4/29まで)。
上尾市図書館には、市民が学ぶための教育機関としての役割があります。そのためには、図書館側も市民も互いに「ささえ合う」ことが求められます。
今記事では、現在おこなわれている上尾市図書館利用者アンケートを提出する際の「手がかり」について考えていきます。

No.268

🔶アンケートの実施方法は ⇒ WEB回答 or 紙面回答のどちらか
この「利用者アンケート」は、毎年4月~5月におこなわれるもので、WEB上での回答または紙面での回答のどちらかの回答方法を選びます
WEB上での回答は → アンケートの回答画面
※回答欄の(3)については、残念ながら、目的によって滞在時間が異なることを無視した設問になっています(単なる貸出・返却のみとレファレンスサービスやクロスサーチ利用では当然滞在時間は異なります)。また、字数制限もあるので、私(当ブログ館主)は
[10分(貸出返却のみ)~60分(クロスサーチ等)]と記入しました。
また、最後の設問の自由記述欄の字数制限は無くしてもらいたいものです。
私は次のように書きました。
*図書館法に基づく「司書・司書補」の職の設置。
*「図書館まつり」の春・秋開催。
*自分史やブログの書き方、SNSの発信などの講座開催。
*国立国会図書館の利用法など講座。

紙面での回答は、図書館にあるアンケート用紙に記入します(本館には、1階・2階合わせて6か所ほどの場所に用紙が置いてあります)。
※回答欄(11)は、字数制限はありませんが、記入するスペースが小さいです。
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🔶回答する際の「手がかり」① 図書館協議会での事務局発言から
◎2月に開催された第2回上尾市図書館協議会【会議録】が、アンケート実施開始日に公開されました。ここで注目されるのは、図書館事務局の次の発言です。

令和4年度第2回上尾市図書館協議会(2023.02.20)会議録より事務局回答を抜粋
「まちづくり」連続講座について
連続講座については、1回きりで終わるものではなく、可能であるならばグループワークを取り入れ、また、複数回行うことで仲間づくりができ、まちづくりに繋げられるような講座を考えている。
「ボランティア活動支援」について
来年度はボランティアの養成講座を含めたものを考えていく。
「施設・設備」について
本館の更新についての方針案の作成を目標に掲げ、令和5年度に向けてどんなサービスを提供していくかなど、市民の皆様と考え、進めていきたいと考えている。

 これらのうち、最初の2つは「講座」の開催の予定、3つ目は「本館の施設更新」について言及しているので、「事務局の背中を押す」意見を提出することも大切です。

また、私は毎回図書館協議会を傍聴していますが、「会議録に出ていない事務局の発言」にも注目しています。

(例1)事務局は「図書館HPにリクエストカードのプリンター出力用フォーマットを作成し、出力できるようにする予定」と発言しているので、利用者としては「リクエストカードをWEBで提出できるようにする」という意見を出すのも有効ではないでしょうか。

(例2)また、事務局は「レファレンス通信を発行する予定」と発言していることから、「レファレンスサービスの結果を示してほしい」という意見も今年度の事業につながると思われます。

🔶回答する際の「手がかり」②「定期監査/質疑応答」から
私は、教育委員会事務局を対象とした、「R4年度の定期監査の状況」について情報公開請求しました。図書館もその中に入っています。
開示された資料は以下のとおりです。
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このやり取りの中で、たとえば監査委員が「電子図書館」について質問していますが、事務局は具体的なサービスについて説明していません。
このことは、アンケートを書く際の「手がかり」になると考えられます。利用者としては「電子図書館の蔵書を増やしてほしい」「ジャンルの拡大を」等を自由記述で要望できると考えられます。
なお、監査委員が「図書館を新たにつくる話は全くなくなったのか」と尋ねていますが、それに対して事務局が「そのとおり」と答えていることは要注目です。

🔶「本館の今後の方向性」は「利用者アンケート」とは別の視点で
図書館協議会の会議録にある「本館の更新」の意味は、本館自体を建て替えるか、あるいは改修するかということになります。
貸出カウンターの前に置かれている『みんなの図書館/はる号』(WEB版はこちら。カラーです)の裏表紙には、次の文言があります。

このように、図書館事務局は、「老朽化した図書館本館」と認めたうえで、更新の方針つまり、全面建て替え or 改修)について利用者による「ワークショップ」や「アンケート」を実施する予定である、としています。

🔶「市民のための図書館」をつくるために
以上例示したように、利用者は教育機関としての上尾市図書館の「背中を押す」要望を出すこと、そして、図書館側がその意向を汲み取って図書館の中身を改善していけば、よりよい「市民のための図書館」に「進化」していくことでしょう。
そのためには、利用者は、図書館側のサポートに基づき、「図書館利用のためのリテラシー=賢く図書館を使いこなす」こと、つまり、図書館側も利用者(市民)も互いに「ささえ合う」ことが求められます。今回のようなアンケートに回答することは、その土台をつくることに繋がると考えられます。

今記事では、現在おこなわれている図書館の「利用者アンケート」を提出する際の「手がかり」についてお伝えしました。
今年度は、「図書館本館をどうするのか」、その方向性が見えてくるかもしれません。
当ブログでは、このことについても、高い関心を寄せていきます。

“市図書館の「利用者アンケート」を提出する際の「手がかり」を考える” への2件の返信

    1. コメント、ありがとうございます。

      上尾市図書館が良くなるための3つの問題点は、

      1.施設の問題
        施設は、本館の全面改修がベスト。
        改修中は期間限定で仮住まいでもやむを得ないでしょう。

      2.中身(利用者サービス)の問題
        今年度は良質な企画が期待できそうです。
        ただし本来は職名としての司書(司書補)が中心になるべき。

      3.利用者リテラシーの問題。
        利用者自身が図書館を使いこなすようになる必要があります。
        従来は利用者リテラシーを高める努力が決定的に不足していました。
        そのことは残念ですが、今からでも遅くはありません。

      図書館側と利用者(市民)との協働により、より良い上尾市図書館になればと思います。

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