[総合教育会議]の実態は➡教育委員会に全面依存 & 庁議室は「貸会議室状態」
私(当ブログ館主)は、ほぼ毎回[教育委員会定例会(例月開催)]と[総合教育会議(おおむね年2回開催)]を傍聴しています。
毎回傍聴するとわかってくるのですが、教育委員が教育施策の何について関心を持っているのか(または教育委員が関心が無いのはどんな事項か)、さらには総合教育会議での市長の教育行政に対する姿勢、あるいは事務局の発言などから様々な実態が見えてきます。
それは、会議後しばらくしてから公表される『会議録』だけではわからない、言わば「行間」に垣間見える上尾市の《素顔》とも言えるかもしれません。
今記事では、7月23日の[教育委員会7月定例会]終了後に開かれた[総合教育会議]についての実態について(「不都合な真実」も含めて)、私の視点でお伝えします。
No.398
🔶[総合教育会議]って何?
「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)」の第1条の4は、[総合教育会議]について、次のように定めています。
| 地教行法第1条の4(総合教育会議)(4~8は 略) |
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地教行法の規定により、[総合教育会議]は市長が招集することになっています。
上尾市のHPでは、次のように説明されています。

この説明によれば、[総合教育会議]では、
①教育、学術および文化の振興に関する総合的な施策の大綱の策定
②教育条件の整備等重点的に講ずべき施策
③緊急に講ずべき処置(例:いじめ重大事態等)
を協議・調整することになっています。
では、7月23日に開催された[総合教育会議]では、どのようなことが議題となったのでしょうか。開催予告文書(現在はHPでは削除されています)を見てみましょう。
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開催文書のとおり、会議の議題は次のとおりです。
(1)業務量管理・健康確保措置実施計画について
(2)SSR・SSTの活用状況と課題について(※)
(※)SSR=スペシャル・サポート・ルーム、SSR=サポート・ルーム・ティーチャーの略。スペシャル・サポート・ルームとは、教室に入れない児童生徒を受け入れるための部屋で、各学校にあります。
「英語教育の推進」を強調する上尾市の教育施策では、このように「何のこと?」と考えざるを得ない略語がやたらと使われています。ちなみに、ABC=アッピー・ブカツドー(部活動)・コーチだそうです。
🔶抜け落ちた「大綱の策定」
市のHPに掲げられている「①教育、学術および文化の振興に関する総合的な施策の大綱の策定」はどうなっているのでしょうか?
7月23日の[総合教育会議]を傍聴した範囲では、これに関する説明はありませんでした。
そこで、その前の「令和7年度 第2回総合教育会議」の会議録を見てみます。
| 令和7年度第2回上尾市総合教育会議:2026(令和8年)1月29日)『会議録』より該当部分 |
| (市長政策室長)教育振興基本計画につきましては、令和7年1月に開催された令和6年度第2回総合教育会議において、市長が策定する「教育の振興に関する大綱」は、教育振興基本計画をもって代えることとしております。 |
ここで市長政策室長は、「市長が策定する『教育の振興に関する大綱』は、教育振興基本計画をもって代えることにしています」と明言しています。おそらく、文科省の一片の通知を根拠にしている発言だと考えられますが、問題はここからです。
『第4期教育振興基本計画(令和8年度から令和12年度までの5年間)』は、今年の3月に採択されています。にもかかわらず、市長政策室長は1月の段階で、まだ決定していない『第4期教育振興基本計画』がすでに採択されることを前提にして「大綱の代わりとする」と発言しているのです。
つまり、進行役の市長政策室長だけでなく、市長も、教育長も、教育委員も、言うなれば[総合教育会議]の席にいる全員が(傍聴している市民を除き)『第4期教育振興基本計画』が採択されないなどとは1ミリも考えていないことがわかります。
このことは、少なくとも20年以上にわたり、教委定例会・臨時会において事務局提案の議案が「教育委員の全員一致・異議無し」で決定している事実と無縁ではないでしょう。
本来は「市長が策定する」とされている『教育の振興に関する大綱』は、「教育委員会に全面依存している」のが実態なのです。
なお、『教育の振興に関する大綱』を教育委員会とは別に市長が策定している自治体も数多くあり、お隣のさいたま市も別途策定しています(=『さいたま市教育大綱』)。
🔶議題資料に欠落している重要な記述とは
[総合教育会議]の議題の一つは「業務管理・健康確保措置実施計画について」でしたが、配布された資料は、市のHP(教育委員会のページ)に掲載されている『上尾市立小・中学校の教育職員に関する業務量管理・健康確保措置実施計画』と全く同一のものです。
実はこの資料、重要な点が記述されていないのです。具体的に挙げてみます。
①教員の「業務量管理」の法的根拠を示す記述が欠落しています。
※教員の業務管理や健康確保については、基本的な法令が定められています。労働基準法・労働安全衛生法・同規則、また、勤務時間・休暇等に関する条例(県費教職員)などです。
[総合教育会議]の資料には、これらの法的根拠が示されていません。なおかつ、[総合教育会議]の席上、市長サイドからも教育委員会サイドからも法律や条例・規則の話はまったく出ていませんでした。
このことに関連しては、『令和7年度 上尾市教育委員会の事務に関する点検評価報告書 』の中の「第三者評価者」による記述が思い出されます(下記 ↓)。
この「第三者の立場からの評価」は「元校長」が書いたことがわかっています(元校長が第三者であるかは異論もあります)が、「法律的見解は教職員には未知の分野である」と言い切っています。大胆な書きぶりですが、「言い得て妙」でしょうか。
[総合教育会議]の資料である『上尾市立小・中学校の教育職員に関する業務量管理・健康確保措置実施計画』を作成した担当課は学務課であり、課長も含めて同課の指導主事は元々は教員です。すなわち、前記第三者評価者に言わせれば「法律的見解は未知の分野」である職員が作成した資料がゆえに、法的根拠が示されていないということになるのでしょうか。
②「休憩時間の確保」についての記述がひと言もありません。
上記の「法的根拠の記述が無い」と関連しますが、『上尾市立小・中学校の教育職員に関する業務量管理・健康確保措置実施計画』には、「休憩時間の確保」についての記述がまったく見当たらないのです。
「月に〇〇時間も時間外在校等時間があるので減らしていこう」といくら意気込んでも、勤務時間の中の「休憩時間」が法令どおり確保されていなければ、勤務時間の算定ができないことになり、資料として示されている「時間外在校等時間」も正しい数値とは言えなくなります。
とりわけ、中学校の教員の休憩時間の中に部活動の開始時刻が組み込まれている(しかも校長の職務命令)という実態については、資料に記述されていないだけでなく、[総合教育会議]の席上においても、誰も発言しないのです。
あたかも、「休憩時間の確保」についてはタブーになっているようで、まさに「不都合な真実」であり、何ともおかしな話なのです。
🔶庁議室は「貸会議室」状態
ここで、あらためて7月23日の「流れ」を確認してみます。
*教育委員会7月定例会 = 9:00~ 9:40 市役所7階教育委員室(結果概要 参照)
*第1回総合教育会議 = 10:30~11:30 市役所3階庁議室
このとおり、定例会から総合教育会議まで50分も空いてしまったのですが、その一方で、教育委員は総合教育会議の席上で、教育委員会事務局職員(学校教育部長など)に部活動の地域展開等について質問しているのです。
以下は、この様子を見ていた私の感想です。
教育委員から事務局への質問は、定例会の場ですべきなのでは?
これらの状況が、今記事のタイトルを【 庁議室は「貸会議室状態」】とした理由です。
🔶問題を残した教委定例会の中身、一方で「光明」の兆しも
教委定例会の『議案第56号=公文書非公開決定処分に係る審査請求に対する裁決について』(上記 結果概要 参照)は、私が教育委員会宛てに提出した審査請求書に対する裁決でしたが、「肝心な事実関係」がすっぽりと抜け落ちている議案となっていました。このことについては、後日あらためて記事にします。
その一方で、別途私が提出済の情報公開請求書(中身は、上尾市内小・中学校にかかる「公費予算」と保護者負担の実態など)に関し、教育委員会定例会が始まる前に、教委事務局(教育総務課)職員から口頭で前向きな見解が示されました。これは、市内各小中学校の「保護者負担軽減」に向けての「光明」の兆しかもしれません。
このことについても、情報を整理したうえで、当ブログでお伝えしていきます。

