杉並区[平和学習中学生派遣事業]から「杉並区と上尾市との違い」を考える

暑い毎日が続きますが、8月は、平和の意義を見つめ直す節目でもあります。
対話の区政」を基本とする杉並区では、5年前から「平和学習中学生派遣事業」が実施されており、参加した生徒の感想や意見がHPなどで公表されています。それらを読むと、中学生が広島や長崎に行き、平和の尊さを実感することの大切さが伝わってきます。
一方、上尾市ではどうでしょうか。今記事では「中学生を被爆地に派遣する」ことについての上尾市の対応についても市議会会議録(学校教育部長答弁)などから検証します。

No.399

🔶杉並区の「平和学習中学生派遣事業」とは
杉並区のHPに、「平和学習中学生派遣事業」の『報告書』が掲載されています。

杉並区の岸本聡子区長は、この『報告書』の冒頭で、昨年度の「平和学習中学生派遣事業」について次のように述べています。

報告書』によれば、昨年度「平和学習中学生派遣事業」(2泊3日)に参加したのは、区内の中学2・3年生24名であり、氏名・学校名は顔写真とともに全員公表されています。
出発前の2度の「事前学習会」の後、現地研修、事後の発表会と続きます。

(長崎市訪問・2日目の様子)

『報告書』には、長崎に行った中学生の報告や感想が署名入りで掲載されています。
その内、お二人の(学習テーマ、感じたこと・学んだこと、私の平和宣言)を紹介します。





派遣生徒からの報告については、『報告書』のP12~p24に掲載されていますので、ぜひ読んでいただくことをおすすめします。

『報告書』最後のページより


以上、今記事では、杉並区の昨年度の「平和学習中学生派遣事業」のほんの一部をご紹介しましたが、杉並区の平和学習の取り組みは、本当に素晴らしいと思います。

🔶今年8月6日の岸本聡子杉並区長のエックス投稿より

この投稿から、「平和学習中学生派遣事業」が今年も実施され、岸本聡子杉並区長が中学生とともに平和記念式典に参加していることがわかります。

🔶一方、上尾市では…
では、上尾市では中学生を被爆地広島・長崎に派遣することについてどのように考えているのでしょうか。
市議会・令和7年9月定例会における一般質問の質疑を『会議録』から検証してみます。

この瀧澤学校教育部長(現・大石中学校校長)の答弁は「おかしな点だらけ」であり、私(当ブログ館主)は大きな違和感を覚えます。
そこで、学校教育部長の答弁の矛盾点や問題点を3つに分けて検証します。

(なぜ「学校教育部長の答弁はおかしい」と言えるのでしょうか
「授業で平和学習をしているから派遣は不要」という論理の飛躍
■まず、杉並区のように被爆地に生徒を派遣し平和学習を実践している自治体があるという厳然たる事実があることを、学校教育部長は無視しています。

■派遣事業は「体験学習」「市民参加型平和事業」という政策目的を持ち、他の自治体は授業プラス派遣を併存させています(杉並区、さいたま市、川口市など)

■学校教育部長は「授業で平和学習をしているから派遣は不要」と答弁しています。
しかしながら、その一方で、高額のALT委託料など、多額の費用をかけて英語教育に力を入れているにもかかわらず、これも多額の予算をかけて、オーストラリアに毎年中学生を派遣しています。つまり、学校教育部長の答弁が正当であれば、「授業で英語学習をしているからオーストラリア派遣は不要」と言えることになります。

「式典の開催時期・場所」を理由にする妥当性の問題
■学校教育部長の答弁では、「式典の開催時期や開催場所」を理由にしていますが、杉並区など他の自治体は同じ条件でも実施しています。

■時期・場所が理由となれば、他の自治体の派遣事業は成立しないことになります。
つまり、上尾市が不実施とする理由としては、まったく説得力がありません。

③「市民生活部と検討した結果、現時点では予定していない」とは?
■「市民生活部と検討した結果」と答弁していますが、なぜ市民生活部と検討したのか、どのように検討したのかについて、全く言及していません。つまり、判断材料の合理性が説明されていません。

■「市民生活部と検討した結果」と答弁していますが、なぜ市民生活部と検討したのか、どのように検討したのかについて、全く言及していません。
※なお、杉並区の昨年度の「平和学習中学生派遣事業」には、引率者として「区民生活部」の職員が3名加わっています。


市民生活部と検討して、被爆地での平和学習についてはやらない」ことにした上尾市とはずいぶんと違いますね。

■以上の検証の結果、市議会一般質質での学校教育部長の答弁は非論理的であり、行政としての正当性は無いと言わざるを得ません。

🔶上尾市の「中学生派遣」の問題はまだあります
今記事では、杉並区の「平和学習中学生派遣事業」を紹介しながら、上尾市との比較についてお伝えしました。
当ブログをお読みの方はすでにお気づきでしょうが、多額の市税を使って実施されている「中学生海外派遣研修」の問題を、今記事でご紹介した杉並区の平和学習と比較して、「どのように研修の成果を還元しているのか」について考えていくつもりです。
すでに情報公開請求により、教育委員会から「とても信じられない」ような資料が示されました。そのことも含めて、後日あらためて記事にしたいと考えています。
(81年前に原爆が投下された8月6日に、上尾市長の公式Xアカウント@mayorageoには投稿がされていないようです。長崎に原爆が投下された8月9日はどうでしょうか?)

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