[市長への政策提言]の『運用要領』で「市長への」という文言削除の不可解

前記事でお伝えした[市長への政策提言]ですが、本日(9月9日)までに4件の「回答」なる文書が届きました(メール3通、郵送1通)。
ところが、その中の3件は「市長からの回答」ではありませんでした。
今までにも私(当ブログ館主)は[市長への政策提言]を提出してきましたが、いずれも市長名で発出された文書でしたので、非常に違和感を覚えました。
さらに、あろうことか、変更された『運用要領』の中で、「市長への」という文言がいつのまにか削除されていることも判明しました。
では、なぜこのように変更されたのでしょうか?
今記事では、この問題についてお伝えします。

No.401

🔶届いた4件の「回答」と称する文書の発出者は?
今回届いた「回答」は4件です。
下記の表のNo.は、前記事でお伝えしたNo.と一致します。
(提出日はいずれも2026年)

No. 提出日
件 名 「回答」発出者
2026年
08/05
上尾市立小・中学校の教育職員に関する業務量管理・健康確保措置実施計画』の本文に法的根拠等を明文化すること 市教育長
8/26付け
2026年
08/12
来年度以降の平和学習中学生派遣事業の取り組みについて市長判断でおこなうことを提言します 市教育長
8/26付け
2026年
08/16
教育委員と教委事務局は「情報公開制度の目的と意義」を認識すべきです 市教育長
8/27付け
2026年
08/24
[市長への政策提言]への回答の進捗状況等を明らかにしてください 上尾市長
9/7付け

 このとおり、①~③までの『提言』への「回答」は、市長からではなく、教育長名で届いたのです。
正直なところ、いずれも教育委員会の「無謬性(=自分たちは悪くありませんよ)」を主張するばかりで、市民からの提言を少しでも受け入れるという姿勢は見られませんでした。

なお、この3件の「回答」は今月中に市HPに掲載される予定です。
皆さまから寄せられた市長への政策提言回答集(令和8年度)

🔶市のHPに掲載されている説明は「言い訳」では?
今年度からの[市長への政策提言]の『運用要領』変更については、市のHPに掲載されていますが、「都合のよい言い訳」の感は否めません。
よく見ると、「令和8年4月1日付け一部改正を行いました。」と書かれています。
(わざわざフォントを極小にする必要があったのでしょうか?)

↑気づきにくいですが、「運用要領改正の概要」がページの一番下にあります。
この中で、次の文言はどう考えたらよいのでしょうか。

提言内容に応じて各行政委員会等が主体的に回答を行うため、決裁区分や文書発出者名について、市長以外の決裁権者も可能とする。その場合、市長は提言内容や回答状況の報告を受け、市政全体の観点から把握する。
  市民が一生懸命考えて[市長への政策提言]を提出しても、市長は……??
   ……「把握する」=「楽になった」と言えるのではないでしょうか。

🔶市民が知らない間に変更されてしまった『運用要領』
では、[市長への政策提言]を提出しているにもかかわらず、市長から回答が届かないという問題は、どうして起きたのでしょうか。

市によるこの不可解な対応は、今年度から『市長への政策提言制度運用要領』がいつのまにか変更されたからだと思われます。

ここで、最も問題だと思われる「見逃しがち」な変更は次の点です。

2026年3月(令和7年度)まで 2026年4月(令和8年度)から
9.提言の集約及び公開
広報広聴課は、受け付けた市長への政策提言を集約し、回答を取りまとめ、市HPで公開するものとする。
9.提言の集約及び公開
広報広聴課は、受け付けた市長への政策提言を集約し、回答を取りまとめ、市HPで公開するものとする。

このとおり、「市長への政策提言を集約し」という文言であったものが、今年度から「市長への」が削除されてしまいました。
いったい、何のため・誰のためにこのように変更したのでしょうか。

ここで、昨年度と今年度について、主な変更点を見てみましょう変更箇所は朱書き)。
※昨年度の『市長への政策提言制度運用要領』については、現在はHPで閲覧できないため、WARP(国立国会図書館/アーカイブ復元機能)により復元してあります。

昨年度)市長への政策提言制度運用要領 今年度)市長への政策提言制度運用要領
1.定義  市が取り組む施策の参考にするための、市政に関する提言または提案等(以下、「提言」という。)を受ける仕組みを「市長への政策提言制度」という。 1.定義  昨年度の文言に以下を加える。
この要領において「市政」とは、市の執行機関が行う施策や事業などの行政活動をいう。また、「提言」とは、市政に関し、課題の解決、施策または事業の改善、新たな取組など、政策的観点から意見又は提案を示すものをいう。
2.目的  提言に対し、適切かつ統一的に対応するため、運用の詳細を定める。 2.目的 = 昨年度と変更なし。
3.提言の収集方法
提言は、以下の方法によって直接、収集する。
①「市長への政策提言・問い合わせはがき」による投書(提言に関するもの)
②市ホームページに掲載する「市長への政策提言・問い合わせ」の入力フォーム(提言に関するもの)
③任意様式による投書
3.提言の受付方法
提言は、以下の方法によって直接、受け付ける

①~③までは昨年度と変更なし。

4.回答の対象
(1)市政に関する提言は、以下に該当するものを除き、原則回答しなければならない。
①回答先の住所・電話番号・メールアドレスがいずれも不明、無効である投書
②市外在住者・匿名の投書
③回答を希望していない投書
④営利目的の活動(宣伝、売り込み)や個人的な誹謗中傷に類する投書
⑤市と係争中または異議申して中のものに関する投書
⑥公文書の閲覧等、情報公開条例に基づき取り扱うべき投書
⑦上尾市議会への意見・問い合わせ制度に基づき取り扱うべき投書
⑧同一の差出人によるもので、過去に当該差出人に回答を行ったものと同一または同様の趣旨の繰り返しである投書
⑨行政委員会委員の個人的見解に関する投書
4.回答の対象

新②市外在住者(市内在筋・在学を除く)・匿名の投書
新④市の取組みや業務等の内容等に直接関係しない投書

以下、丸数字がずれていきます。
旧④➡新⑤(旧④と同文)
旧⑤➡新⑥(旧⑤と同文)
旧⑥➡新⑦(旧⑥と同文)
旧⑦➡新⑧(旧⑦と同文)
旧⑧➡新⑨(旧⑧と同文)

旧⑨は削除
新⑩職員等の個人の見解に関する投書
新⑪職員の公正又は正当な職務の遂行を妨げる不当な働きかけ又は要求に該当する投書
新⑫市政への問い合わせ制度」で扱うことが適当な投書

(2)文書回答、面会、電話等により市が誠意を持って対応しているにもかかわらず、市の回答に理解が得られない場合は、これ以上の回答ができない旨を伝達した上で、対応を打ち切ることができる。 (2)市の見解を示したにもかかわらず、回答に納得が得られず、なお同一趣旨の提言が繰り返される場合は、これ以上の回答ができない旨を伝達した上で、対応を終了することができる。
5.回答の方法
回答方法は、原則、市長名による文書によって回答するものとする。ただし、緊急を要する内容など文書以外の回答が望ましいと判断するものは、この限りでない。
5.回答の方法(注:大幅に変更されました)
回答は、原則として、当該提言を所管する執行機関の決裁を経た文書により行うものとする。この場合において、当該文書は郵送又は電子メールにより送付するものとする。ただし、緊急を要する内容など文書以外の方法による回答が適当と認められる場合はこの限りでない。
6.決裁区分
市長決裁による。
6.決裁区分(注:全面的に書き換えられました)
提出された政策提言の内容に応じて、以下のとおり決裁する。
①市長の所掌に属する事項は、市長決裁とする。
②他の執行機関の所掌に属する事項は、当該執行機関の責任において決裁する。
7.回答期限の目安
10日以内(土日・祝日・年末年始を除く)を目安に回答するものとする。ただし、複数項目の回答を求められているときなど、回答に時間を要する場合は、この限りではない。
7.回答期限の目安
受付日の翌日から起算して10日以内(土日・祝日・年末年始を除く)を目安に回答するものとする。ただし、複数項目の回答を求められているときなど、回答に時間を要する場合は、この限りではない。
8.回答の対象外となる投書の扱い
市長への政策提言として受け付けた投書のうち、回答先の住所やメールアドレスが不明なもの、市外在住者・匿名のもの、又は回答を希望していないものについては、担当課で受け付けし、市長に報告するものとする。
8.回答の対象外となる投書の扱い
市長への政策提言として受け付けた投書のうち、回答先の住所やメールアドレスが不明なもの、市外在住者(市内在勤・在学を除く)・匿名のもの、又は回答を希望していないものについては、担当課で受け付けし、市長に報告するものとする。
9.提言の集約及び公開
広報広聴課は、受け付けた市長への政策提言を集約し、回答を取りまとめ、市HPで公開するものとする。
9.提言の集約及び公開
広報広聴課は、受け付けた市長への政策提言を集約し、回答を取りまとめ、市HPで公開するものとする。
10.庶務
(1)市長への政策提言制度は、市長政策室広報広聴課が所管する。
(2)この要領に定めるもののほか、市長への政策提言制度の運用に関し必要な事項は別に定める。
10.庶務
(1)市長への政策提言制度は、市長政策室広報広聴課が所管する。
(2)この要領に定めるもののほか、市長への政策提言制度の運用に関し必要な事項は別に定める。
11.施行日
令和3年4月1日から施行する。なお、「市長へのはがき」によって投稿されたものについても、令和3年4月1日に受理したものから適用する。
11.施行日

※昨年度と変更なし。

12.改正
令和4年12月7日
令和7年9月1日
12.改正
令和4年12月7日
令和7年9月1日
令和8年4月1日

このように整理してみると、かなりの変更が加えられていることがわかります。
私が疑問に思ったのは、最後の「改正」の時期についてです。
すなわち、昨年の9月から短期間にもかかわらず「変更=改正」をしている点です。
いったい、2025年9月~2026年3月の間に何があったのでしょうか。

🔶引き続き「市長への政策提言」に高い関心を
今記事では、昨年度までの「市長名での回答」が、いきなり「教育長名」で届いたことから生じた疑問とその理由についてお伝えしました。

市民が知らない(気づかない)うちに、市によって何が変えられているのかわからない……
つまり、市民にとっては
油断も隙も無い
とでも言うべきなのでしょうか。

最後に、この問題について私が市長宛てに提出した「市長への政策提言」をご紹介いたします。市長はどのように回答するのでしょうか。

(提出日:2026/08/28)
件名:「市長への政策提言」の回答方法について再考をお願いします。
今年度から改正された『市長への政策提言運用要領』(以下、『運用要領』)について、改正(加筆)するなど、再考をお願いします。
具体的には、『運用要領』5.または6.の文言の後に以下の文言を追加します。
なお、執行機関の決裁を経た文書に併せて市長名の文書も発出するものとする。
提言に至った理由:
私が提出した「市長への政策提言」への「回答」が3件いずれも教育長名でメールと郵送で届きました。正直なところ、「回答」は教育委員会自らの無謬性のみを強調するもの(=教育委員会が行う事務については決して過誤は無いとする主張)であると考えざるを得ません。また、私が提言の理由に挙げた点について敢えて言及を避ける(都合が悪いから?)など、「回答」としても極めて不十分です。
 せっかく市民として市長宛てに「市長への政策提言」を提出しているのですから、教育委員会の無謬性を強調する主張だけではなく、「確かに市長が目を通した」「提言について市長はこう考えている」等が判別できる「回答」であるべきです。
 今回提言した『運用要領』への文言の追加については、上記趣旨を汲み取っていただければ文言変更はお任せします。なお、HPに「このページから投書していただいたご意見は、市長が拝見したうえで、担当部署で検討いたします。」とありますが、そのことも『運用要領』には記載されていません。

この『市長への政策提言』の結果については、当ブログでお伝えしていきます。

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