公表資料と開示された資料とを検証することでわかる「行政組織の本音と建前」
当ブログでは、[市長への政策提言]制度のあり方と、市民からの提言に対する市長の対応に高い関心を寄せています。
情報公開請求等で判明した事実などを検証することでわかりますが、市行政&教育行政には「建前と本音」、言い換えれば、「表の顔と裏の顔」があると言っていいでしょう。
今記事では、公表された「行政の建前(表の顔)」には、対をなす形で「本音(裏の顔)」が確かに存在すると思われることについてお伝えします。
No.404
🔶9月分までの[市長への政策提言]が公表されました
今週になってから、市HPに掲載されている次の表が9月末日時点として更新されました。

この「令和8年度 市長への政策提言件数表」は、表の下の注意書きにあるように、9月末までに市から回答がされた提言が掲載されています。
それにしても半年(上半期)で 21件 しか提言が出されていないとは…
月平均で3~4件しか提言が無いことになりますね。
どうしてそんなに少ないのでしょうか?
まず、[市長への政策提言]に関する、議会一般質問の答弁を見てみましょう。
🔶議会では「専用はがき26か所&ポスター57か所で周知」と答弁
市議会では、市長政策室長は次のように答弁しています。
| 市議会 令和7年3月定例会一般質問より |
| (金澤祥子議員) …市長への政策提言制度と市政への問合せ制度、ニーズはあるけれども、これまで知らない方や、この制度を使いやすくするために必要なことは、どんなことが考えられますか。 |
| 市長政策室長(柳下貴之) 両制度につきましては、「広報あげお」やホームページで周知を図っております。また、公共施設26か所に市長への政策提言制度の専用はがきを配架するとともに、JRやニューシャトルの駅、商業施設などのほか、今年度からは市内の高校や大学に利用制度に係るポスターを含め、合計57か所に掲示しており、さらなる周知に努めております。 |
「市長への政策提言」については、市内公共施設26か所。
周知のためのポスターは57か所に貼ってあるそうです。
それにしては…提言の数がいかにも少ないですね。
周知していると言っても、効果のほどはほとんど無いようです。
🔶「市長への政策提言」についての「表と裏の顔」
当ブログ前記事の最後で、私(当ブログ館主)は次のように述べました。
| [市長への政策提言]への市長からの回答について |
| (おかしいと思うのは)[市長への政策提言]をしているにもかかわらず、市長からの回答の冒頭で「お問い合わせの件については…」と述べていることです。 私は「お問い合わせ」制度の入力フォームではなく、「市長への政策提言」入力フォームから提言として提出をしているので、「このたびのご提言については」と書き始めるべきではないでしょうか? |
なぜこうなったのかについて、情報公開請求しました。
すると、広報広聴課から、次のような文書が届きました。

この文書の備考欄に要注目です。
「広報広聴課にて作成している回答雛形の記載が、「お問い合わせの件について、」など、市長への政策提言の回答として適さない内容となっておりました」
と書かれています。
この備考欄に記述されている意味ですが、調べたところ、『市長への政策提言制度 市政への問い合わせ制度 手続きマニュアル』という内部文書の存在が明らかになりました。
そこには確かに「回答の雛形」が示されています。ですが、[市長への政策提言]への回答が「お問い合わせの件について」となっていたというわけです。
私はこの内部マニュアルを入手したところ、問題だらけであることが判明しました(この件については、整理したうえで、後日別の記事でお伝えします)。
私は[市長への政策提言]の件数が少ないのは、この「間違いだらけのマニュアル」による影響もあるのではないかと考えています。
🔶9月受付の[市長への政策提言]より
私が注目したのは、9月分として公表された次の提言です(私が提出した提言ではありません、念のため)。

読みにくいかもしれませんので、上の提言と回答を再掲してみます。
| 大石南中学校閉校後 | 左記提言への回答(教育委員会決裁) |
| 大石南中学校の閉校が示唆されましたが、仮に閉校になった際、有事の際の緊急避難先として建物を保存するのが妥当と解します。 実際、東日本大震災の際、閉校となった埼玉県の高校校舎が再活用されました。一方、地域活性化の観点から、新たに図書館分館の設置及びコミュニティセンター等の移設を空き教室を用いて活用すべきと提案します。 |
大石南中学校においては、令和8年7月から再編についての協議を開始した段階であり、閉校することについては決定しておりません。 なお、今後閉校の方向となった際には、閉校後の避難所の在り方や、施設等の有効活用について地域のご意見等もふまえて検討してまいります。 |
| 【受付日】令和8年9月3日 | (担当)教育総務課新しい学校づくり推進室 |
このとおり、提言者は「大石南中学校の閉校が示唆されましたが」と述べています。
これは、教育委員会による一連の動きが、市民にとっては「なんだかんだ言っても、大石南中は閉校となるのだろう」と受け止めているということだと思われます。
そのうえで提言者は、閉校後の校舎の有効活用について提言しているのです。
一方で、教育委員会は「閉校することについては決定しておりません」と、あくまでも表向きの回答(建前)となっています。
それはそうでしょう。学校を閉校とするには、教育委員会規則を改正し、議会の承認を得なければなりません。平方幼稚園閉園の際に議会で2度にわたって否決されるという大失敗の経験がある教育委員会は、その面では慎重にならざるを得ないのです。
🔶一方で、教育委員会(教育長)の「本音(裏の顔)」は
では、教育委員会の本音はどうなのでしょうか。
私が情報公開請求で入手した資料の一つに、教育長名の「令和6年度 教育行政を進めるにあたって」という文書があります。
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この文書は、毎年度当初の教育委員会事務局の部課長会議の席上、教育長がその年度の教育行政の方針を伝える際に使用されているものです。
ごらんのとおり、「学校施設更新計画実施計画に基づく具体的取組の推進」として「平方北小学校再編検討協議会の発足」等が例示されていますが、一番下には、
着地点を想定しつつ、地域の方々の意見を丁寧に聴取する
と書かれています。
では、教育長の言う「着地点」とはどこのことを指しているのでしょうか?
それは、どう考えても、平方北小・大石南中・尾山台小を『上尾市立学校設置条例』から除外する(つまり、3校を閉校とする)ことに他ならないでしょう。
🔶様々な視点から[市長への政策提言]を
「学校施設更新計画:3校の閉校問題」については、教育委員会は「教育委員会の問題」と言っています(地域住民向け/平方北小学校再編に係る説明会記録P20他)。
しかしながら、上述の市民からの提言については、分野としては「まちづくり・基盤整備」の提言として扱われています。それは、提言者の主張が「まちづくり」の視点から述べられたことによるからです。
「学校の閉校」が地域にどのような影響を及ぼすかということは、教育委員会だけの問題ではないことは明白です。「まちづくり」の視点から市民からの提言も必要ですし、当ブログでも必要な情報公開請求をおこない、情報やデータ等を入手し、それらに基づき[市長への政策提言]を提出していきます。
🔶当ブログの閲覧数が 50万回を突破
おかげさまで、当ブログは総閲覧数 50万回を超えました。
(2026.10.21現在)

引き続き、市民的視座から記事を投稿していきますので、よろしくお願いいたします。
