『上尾市市政相談委員制度要綱』の改正から見えてくる「不都合な真実」とは
上尾市の[市政相談委員制度]をご存じでしょうか。
市が作成したチラシの一番上には、次のように書かれています。
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実は、この9月から[市政相談委員制度]の『要綱』(=制度の重要な点をまとめた文書)が「ほとんどの市民が気がつかないうちに」変更されたのです。
今記事では、この『要綱』改正から見えてくる上尾市の「不都合な真実」についてお伝えします(少し長い記事ですが、秋の夜長にでもゆっくりとお読みください)。
No.405
🔶[市政相談委員制度]とは?
上で紹介したチラシのすぐ下には、次のように説明されています。
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ここには、「法律によらなくても、苦情や不服を申し立てできる制度を設け、その申し立てを簡易迅速に処理できるようにしました」と書いてあります。
これを読むと、「なかなか良い制度では?」と思う市民の方も多いと思います。
ですが、この制度の詳細を定めた『要綱』が変更されたというのです。
いつから、また、どこが変わったのでしょうか?
🔶『市政相談委員制度要綱』はいつ変更されたのでしょうか?
9月の終わり頃、私(当ブログ館主)は、知人から「いつのまにか、市政相談委員制度の中身が変更されたようです」と教えてもらいました。
以前、私はこの制度を利用したことがあり、関心があるので、「要綱の変更を市民に周知しないのは不作為と言えることから、内容も含めて周知すべき」との「市長への政策提言」として提出しました。
その結果送付された市長からの回答は以下のとおりです。
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つまり、9月2日から9月18日まで「告示により改正日及び改正内容を公表している」というのです(見逃した市民が悪い、とでも言われているような気がしますが…)。
正直、私はそのことをまったく知りませんでした。
🔶「告示」って何?
上で市長が述べた「告示」について、他の似たような用語との違いを整理してみます。
(以下はネット検索ですが、ほぼ間違いないでしょう)
■告示 ……… 行政機関が一定の事項を公式に知らせる行為
■公告 ……… 一般住民や利害関係者に向けて広く知らせる行為
■公示 ……… 法律行為を発生させるために公に示す行為(上位概念)
つまり、「告示」とは ➡ 上尾市として、一定の事項を公式に知らせる行為
ということになるようです。
では、実際に、市はどのように「告示」をしているのでしょうか?
🔶上尾市の「告示」の方法とは
市長からの回答では、さらっと「告示により」と言っています。
「告示」を見るには、市のHPでトップページ左側のメニュー
「上尾市の基本情報」から入ります。


これらは、11月3日時点での上尾市のHPの画面です。
多くの「告示」が掲載されていますが、印象としては「利害関係者」に向けたものが多いように思います。
また、市長の説明では、『要綱の改正』は17日間掲載したそうです。
であるならば、市民が「告示」を見逃しても仕方ないのでは?
しかも「要綱」が変更になるという事前予告は無いのですから。
🔶「告示」のもう一つの方法とは
上尾市役所の正面玄関の右側(自販機の右隣り)に、ガラスのケースがあり、ここに「告示」が貼ってあります(知る人ぞ知る、という感じですね)。

1枚だけ貼ってある文書を拡大してみましょう。
令和8年9月30日付けの文書で、「告示第8号」と記載されています。
※撮影日が11月2日なので、1か月以上掲載されていることになります。
(発出者が上尾・桶川・伊奈衛生組合管理者だからですか?)

このページの一番下を見てみます。
前後関係から、文が次のページにつながっていることがわかります。
どうやら、最初のページしか掲載(ピン留め)していないようです。
だとすると、上述の市長の回答と整合性がありません。
*「告示」の掲載(周知)期間は、誰が何に基づいて決めているのでしょう?
*市庁舎前のガラスケースは最初のページだけ掲載していればOK?
*現在HPに掲載している「告示」はガラスケース内に掲示しない?
これらの疑問はあらためて調べてみます。
🔶『要綱』はどこが変更されたのでしょうか?
今現在、『要綱』の改正内容を市のHPで確認する方法はありません。
なぜなら、9月の「告示」の中身を現在見ることができないからです。
つまり、現在公表されている情報だけでは、市民が検証できないのです。
やむなく、私はアーカイブ復元機能で、以前の『要綱』と比べてみました。
主に変更されたのは次の3つです。
①『要綱』の改正年月日について
(旧) (新)

どこが変更されたかは明らかです。
以前は掲載されていた「改正の沿革(履歴)」が消えているのです。
驚きですね。何のために削除したのでしょうか?
新しい『要綱』が「いつ改正されたのか」わからないというのは、行政の対応として、いくらなんでもおかしいのでは?
②市政相談委員との面談について
(旧) (新)

これが『要綱』改正の最大の変更点と言えるでしょう。
「苦情を申立てた者(以下「苦情申立人」という。)は、面談日を予約して、直接市政相談委員に苦情を述べることができる」という記述が削除されてしまったのです。
では、代わりにどうなったのでしょうか。
新しい『要綱』第13条第3項に、以下の文言が追加されました。
「市政相談委員は、苦情の調査のため必要があると認めるときは、苦情申立人に対し、面談を実施し、申立て内容に関する説明を求めることができる。」
これはいったいどういうことでしょうか?
以前は、苦情申立人は面談の予約さえすれば、市政相談委員に苦情を述べることができたのですが、改正後は、「必要があると認めるとき」だけに限られたのです。 つまり、
制度の主体が苦情申立人(市民)から、市政相談委員に移ってしまった
と言えます。
③「謝金」の支給を明文化
新しい『要綱』第17条(新設)として以下の文言が追記されました。
「第17条 市は、市政相談委員に対し、予算の範囲内において謝金を支給する。」
これもおかしな話ですね。
では、今まではどうしていたのか? という疑問が生じます。
市の令和8年度予算を見ると、次のように記載されています。
(単位 千円)
「報償費」として20万円予算計上されています。
市民感覚では、「謝金」は高くとも3万円くらいまで?
市が言う「謝金」の基準も調べる必要がありそうです。
🔶疑問 :いったい 誰の発案で『要綱』を変更したのか?
私が[市長への政策提言]を提出したせいか、10月20日更新として、市のHPに以下の説明が掲載されました。

ひとつ言えることは、この説明は、あくまでも「市政相談委員」あるいは「担当課」の事情により変更したのではないか、という点です。
「面談する必要は無かった」と判断したのは誰だったのか、また、今までは「他の要綱」を参考にしなかったのか? との疑問も生じます。
🔶疑問だらけの『上尾市市政相談委員制度要綱』の「改正」
関連する事実関係も含め、『上尾市市政相談委員制度要綱』の「改正」には、疑問点が多数生じています。整理してみましょう。
*なぜ『要綱』を今「改正」する必要があったのか?
*なぜ、『(改正後)要綱』には改正の沿革を記載しないのか?
*「告示」の周知方法や掲載期間は決まっているのか?
*市庁舎前の「告示」とHPの掲載期間は異なるのか?
*市庁舎前の「告示」は表紙だけでよいのか?
*なぜHPに掲載されている「告示」は市庁舎前に掲示されていないのか?
*HPに掲載された「告示」についての閲覧回数は?
*市が言う「謝金」を支払う基準と金額は?
*『要綱』改正は誰の発案なのか?
*『要綱』改正について、市政相談委員から何か話があったのか?
etc.
また、上でお伝えしたとおり、今後は市政相談委員が「必要ない」と判断した場合、市民との面談が無くなることも十分考えられます。
だとすれば、「市政相談委員制度」そのものの存在価値が問われるのではないでしょうか。
今記事で生じた疑問については、情報公開請求や『市長への政策提言』、あるいは『市政への問い合わせ』などを活用し、引き続き調べていきます。


