これが校長の「指示・伝達・指導」なのですか? 先生方が気の毒です

今記事では、上尾小『学校だより』に掲載された、校長の「指示・伝達・指導」なる「文章」を取り上げます。なぜならば、書かれた中身があまりにも酷いからです。
問題の『学校だより』は、今年7月に発行されたものですが、情報公開請求を通じての事実関係や、上尾市教育委員会指導課の見解を確認するというプロセスがあったため、今記事で取り上げることになりました。

校長の「文章」そのものは、内容も適切だとは思えませんし、国語的にも表記の誤りが目立ちます。なによりも、文章として破綻している箇所が見受けられるのです。
こうしたものが校長からの
「指示・伝達・指導」だとしたら、先生方が気の毒です。
しかも、このことに関連した情報公開請求により、校長作成の文章をめぐる学校内の「不都合な真実」も明らかになりました。

※今記事では、すでにHPで公開されている上尾小『学校だより7月号』の原本を引用しています。
ただし、関連して情報公開請求をおこなっていることや、当ブログ記事が出されたあとで上尾小のHPから削除される可能性がありますので、記事の中で原本を示します。

No.241

🔷上尾小の校長が書いた「文章」とは?
『学校だより』7月号をクリックすると閲覧が可能です。ただし、冒頭で述べたとおり、当ブログがアップされた後に削除されている可能性もありますので、原本を下に示します(下線は強調のため。下部にズーム機能があります)。

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全体に目を通すと、表記も内容も酷いものであることがわかります。
まず、表記上明らかに誤りである箇所があります(下線部)。
*今年の7月に発行にもかかわらず、「令和3年7月1日発行」となっています。
*句点の誤り「すると,、」
*表記の誤り「似たいようなことを」

なぜこのような単純なミスが放置されたまま、保護者にも配られ、HPにも掲載されてしまったのでしょうか? その理由はのちほど説明します。

ここで、校長によるこの「文章」を整理してみましょう。

1.校長は「経営方針の土台」の1つを「授業の充実」としていることから、上尾小学校の教職員は、「校長の方針を受け、毎日1時間、1時間の授業の中で、目の前にいる一人一人の児童に声をかけ、寄り添い、きめ細やかな指導を行っています」と述べている。
2.「その方針(授業の充実)をさらに浸透させるため」に、校長は自らの「ちょっとした日常体験」を示したうえで、「指示・伝達・指導」を行った。
3.「ちょっとした日常体験」とは、次のエピソードを指す。
*ドラッグストアに行き、商品を探したが見つからないので、店員に尋ねたところ、「左に行った、その奥のコーナーにあります」との答えが返ってきた。
*「店員の回答が漠然としている」と校長は思い、「わざわざ聞いているのです。不親切ですね」と店員に言ったが、すぐに「不親切ですね」は余計だったと反省した。
4.しかしながら、このエピソードを語る文章については、誤った表記がされており、文章自体破綻している。
5.校長は、自らの体験(ドラッグストアでの店員とのやりとり)から、「学校の先生」も似たような指導や働きかけ,声かけをしていないだろうかと想像している。
6.校長の文章により示されている、①「子供たちに抽象的で『不親切』な指導をすること」、②「子供たちが先生の指導・助言にしたがって『うーん、うーん』『気合いだ』などと考えること」、③「『それって不親切ではありませんか?』といった保護者からの問い合わせがくるかもしれない」などということについては、あくまでも校長の想像の域を出ないものである。
7.結局、校長の「指示・伝達・指導」とは、前記1.と同じ「日々、毎時間、一人一人の児童に声をかけて、寄り添った、きめ細やかな指導を行うこと」であった。

🔷校長による「指示・伝達・指導」についての検証
整理した上記の表を検証してみます。
《「授業の充実」のための周到な準備の実態は?》
以下は上尾小学校の日課表です。
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指導課職員にも確認しましたが、この日課表の中で「充実した授業」の準備のために充てられる時間は、各教員の空き時間と、金曜日の16:05-16:45しかありません。
「空き時間」は、低学年は毎日1時間(2学年の木曜は無し)ありますが、中・高学年はほぼ空き時間無しという状況になっています。たとえ1時間空き時間があったとしても、毎日の5~6時間の授業準備をするには、とても足りないでしょう。

下は、2022年6月の上尾小職員「時間外勤務」の実績です。
(上尾小の教員の正規の勤務時間は8:15-16:45)
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上尾小職員の時間外勤務の平均時間(46.4時間)は,「上尾市立小・中学校における働き方改革基本方針」の「時間外在校等時間の上限 月45時間以内」を超えるものです。
いくら「校長の方針を受け、毎日1時間、1時間の授業の中で、目の前にいる一人一人の児童に声をかけ、寄り添い、きめ細やかな指導を行っています」と校長が言っても、授業の準備は勤務時間外にやらざるを得ないのが実態なのです。

《「破綻した文章」では意味が通じません》
校長は「文章」の中で、自らの「ちょっとした日常体験」を紹介しています。

 「いやいや、探したけど分からないので、わざわざ聞いているのです。不親切ですね」と言ってしまった。言ってしまってからすぐに反省した。「不親切ですね」は余計であった。また、初めに、「探したけれど分からないので」の一言を付け加えるべきであったと。

この記述は、明らかに文章としては破綻しています。なぜならば、<いやいや、探したけど分からないので>と書いているにもかかわらず、直後に、<初めに、「探したけれど分からないので」の一言を付け加えるべきであった>となっているからです。
このような「破綻した文章」については、『学校だより』を読んだ保護者や地域の方が混乱したり不信に思ったりすることが目に見えています。


《発行(発信)前の見直しは?》
ここまで見てくると、当然「発行前に見直しはしなかったのか?」との疑問が生じると思います。そのことを指導課の職員に確認すると、何と「2人(教頭を含む)で確認したのち、発行している」と言うのです。
そうであれば、この『学校だより』に記載された校長の「文章」の「事前のチェック」の実情とは、「ろくに中身を見ていない」か、あるいは「誤りに気づいても指摘しない」かのどちらかということになります。
実際にはどちらなのでしょうか。これは私の推測ですが、後者「誤りに気づいても指摘しない(できない)」ではないかと思います。だとすれば、この校長は「裸の王様」状態とも言えます。

🔷『学校だより』の校長の「文章」& 上尾小の「委嘱研究」の主題
上尾小学校は、今年度と来年度の2年にわたり、上尾市教育委員会の「委嘱研究」をやらなければなりません。その研究主題は次のとおりです。

上尾小「委嘱研究」研究主題等
(研究領域)学習指導(国語科・道徳科) (委嘱年度)R4・R5
(研究主題等)他者とよりよくつながるための説明する力の育成
~言葉による見方・考え方が働く言語活動を工夫した国語科の授業~
~自己をみつめ、表現し、互いに深め合う児童を育成する道徳科の授業~

「他者とよりよくつながるための説明する力の育成」
「言葉による見方・考え方が働く言語活動を工夫」
これらの「研究主題」を頭に入れたうえで、今一度『学校だより』の校長の「文章」を見てください。ブラックユーモアというには、あまりにもお粗末と言わざるを得ません。
気の毒なのは、この校長に「指示・伝達・指導」される上尾小の先生方だと思います。

🔷上尾小校長の不適切な文章表現や発言は今回だけではない
上尾小学校の今泉校長による極めて不適切な文章表現や発言は、今までにも私が気づいただけでも2度あり、その都度情報公開請求を通じて市教委事務局に指摘してきました。また、当ブログの記事としてお伝えしてきました。

(その1 不適切な文章表現)
上尾小学校のHPに掲載された「新型コロナウイルス感染症拡大防止のための自宅勤務に関する要綱」(現在は修正のうえ削除)に次のように記載されていたこと。
No.76記事《「家族の世話」もダメ!? 上尾小の〈在宅勤務要綱〉》参照

自宅勤務(校長の命令による自宅での出張)
(3)自宅勤務・業務中は、職務専念義務があることから、外出が禁止されるとともに、家の片付け、家族の世話、テレビの視聴、その多(原文ママ)家事全般や趣味などの行動(トイレ等除く)はできない。(上尾小の職員は「服務の厳正」を図る)

このように、「自宅勤務中は家族の世話はできない」と謳っており、極めて非人間的な要綱であり、当時の学校教育部長から不適切であるとの指導を受けています。
(元学校教育部長の今泉校長が学校教育部長から指導を受けるという図です)

(その2 不適切な発言)
上尾小学校HPに掲載された、2020.08.31の学校運営協議会での校長の話の報告として次のように記載されていたこと。
No.115記事《上尾小校長の<本校はNo.1>発言に見る「不都合な真実とは」》参照

<校長先生から 1学期の学校の様子について>
〇 いじめ認知件数 No.1
〇 ICT活用率     No.1
●(教職員の)在校時間 No.1 → 教材研究、保護者対応、資料作成、コロナ禍への対応等・・

このように、校長は「(本校の教職員は)在校時間がNo.1」であると発言しています。

🔷「おかしい」と思ったら「お問い合わせ」経由で連絡を
今記事では、上尾小の今泉校長による「指示・伝達・指導」と称するものがいかに酷いものであるかについてお伝えしました。
私はすべての『学校だより』に目を通しているわけではありませんので、もしかしたら別のところで不適切な表現や問題発言を繰り返しているかもしれません。

また、上尾小の校長だけではなく、他校の校長・教頭や教育委員会の職員の発言や文章等で「これはおかしいのではないか」ということがあれば(内部通報を含む)、当ブログ「お問い合わせ」経由でお知らせください(秘密は厳守いたします)。