~真実はこうして覆い隠される~ 市HP〖トピックス記事〗を検証

12月になってすぐに、上尾市HPのトップページ〖トピックス〗に「新しい時代の学びにふさわしい学校を考える集いが行われました」という記事が掲載されました。
ごらんになった方もおられると思いますが、これは写真が中心の記事となっています。
ところがこの〖トピックス記事〗
、実は大変問題があり、言わば「真実はこうして覆い隠される」典型ともいえるものです。
当ブログでは、今回、このことについてお伝えします。
※なお、今記事も含め、当ブログでは上尾市のHPから画像を引用している箇所があります。
これに関しては、情報公開請求を通じて広報広聴課と面談した際、「当ブログで市のHPからの画像の引用をする場合がある」旨伝えており、そのことを広報広聴課も「了知」しています。
🔸「了知(りょうち)」=はっきりと知ること。

No.251

🔷問題の〖トピックス記事〗記事とは
問題の記事は、上尾市HP(トップページ)の〖トピックス〗(12月2日更新)「新しい時代の学びにふさわしい学校を考える集いが行われました」です(青字クリックで上尾市HPに飛びます。なお、更新日は12月2日となっていますが、当初は12月1日更新でした。なぜ翌日になったのかは後で述べます)。

この記事にある「新しい時代の学びにふさわしい学校を考える集い」(以下、「集い」)については、基調講演の内容は上尾の現状に合った話では
なく、しかも文化センター大ホール観客席はガラガラの状態当ブログNo.249記事を参照)、催しとしては大失敗と言えるものでした。

🔷「会場内の録音・録画・撮影は禁止」
私が文化センターに出向いたのは「集い」当日の午後。客席のあまりのガラガラ状態に少なからず驚いていたところ、司会者(教育委員会事務局 指導課職員)が「会場内での録音・録画・撮影は禁止といたします」と言うので、写真を撮ることはできませんでした。
著作権の問題もあり、こうした注意は講演会などではありがちですが、不満があっても観客は従うしかありません。
だからこそ、広報広聴課は、客席の様子を含めて市民に伝えるべきなのです
しかしながら、集い」に関する〖トピックス記事〗に掲載されている写真はすべて壇上を写したもの(午後の最初におこなわれた絵画コンクール表彰作品の写真1枚を除く)であり、会場内がガラガラである様子を写した写真は1枚もありません

「集い」の主催者が参加した市民に対して「撮影禁止」と言っているのですから、市民として出来ることはと考え、集い」の記事に掲載した画像以外の、広報広聴課が撮影した他の画像について情報公開請求しました。情報公開条例で、記録した画像は印字して示すことになっているからです。来週「処分通知」が手交される予定ですので、結果については当ブログでお伝えします。

🔷広報広聴課への質問とその回答
集い」の記事については、広報広聴課とメールでやり取りをしています(前記事でお伝えした「事実と異なる文言の掲載」以外の件)。
広報広聴課からの回答は次のとおりです(強調のための色替えあり)。

お問い合わせのありました「新しい時代の学びにふさわしい学校を考える集いが開催されました」という記事につきましてご回答いたします。
当該記事につきましては、当日行われた基調講演の内容をお知らせするために作成したものなので、観客を含めた会場の写真は掲載する予定がございません

広報広聴課はこのように「基調講演の内容を知らせるために作成したもの」なので「観客を含めた会場の写真は掲載しない」と回答しています。

果たして本当にそうなのでしょうか? 他の掲載記事との矛盾はありませんか?

ということで、「公演や講演会」などの〖トピックス記事〗を見てみましょう。

🔷観客が一杯の時は、広報広聴課は客席の様子も掲載しています
同じ上尾市HPの〖トピックス記事〗(10月14日更新)では、「あげお能・狂言鑑賞会が行われました」として、次のような画像が掲載されています。

いかがでしょうか。全部は写っていませんが、観客席には人がたくさんいますね。

さらに、〖トピックス記事〗(12月8日更新)「コミュニティセンターで〖コミセンクラシック~冬を彩る珠玉の名曲~〗が開催されました」でも、「公演の内容を知らせる」ほかに画像が掲載されており、画面は暗いですが、観客席が一杯であることがわかります。

この2つの例を見ておわかりのように、「公演や講演の内容を知らせる」ほかに、広報広聴課は、観客がたくさん入っている場合はその様子を掲載するのです。
もしも11/12の集い」
際、客席にある程度観客が入っていたら、その画像を掲載したであろうことは容易に推測できます。

つまり、広報広聴課は、「集い」の客席が「ガラガラ状態」だったため、掲載しようにも出来なかったというのが真相であり、「真実はこうして覆い隠される」と言えます。

🔶以前にはこんな観客席の画像も掲載されました
観客席を写した画像」で思い出されるのは、西貝塚環境センターの入札に係る第三者調査委員会からの再発防止策の提言を受けて、2019.07.09に市の職員向けに実施された、「コンプライアンス研修を実施」という記事です(会場は文化センターです)。

私には市長や教育長(当時)らが「早く終わらないかな」という表情に見えますが、このときは講師よりもスペースを割いて観客席の画像を掲載しています。
なお、
上記青字をクリックすると、2019.07.12に更新された記事を見ることができます。
これは、国立国会図書館のWARP機能を使って復元したものですが、現在はなぜか上尾市のHPから削除されてしまっています(無かったことにしたいのでしょうか?)。

*証拠となる「トピックス一覧」のスクリーンショット(現在掲載中のもの)

*2019.07.12更新のはずの「コンプライアンス研修を実施」が見事に削除されています。
これらの事実は、広報広聴課がいかに「ご都合主義」であって、「真実はこうして覆い隠される」のかを示すものと言えます。

🔷この記事の更新日時はなぜ12月2日になったのか
市のHPに掲載されている記事などについては、最下部に次のように表示されています。


実は、12月1日更新の「集い」の記事の最下部には、「お問い合わせはこちら」の表示が無かったのです。仕方がないので、私は広報広聴課の別の記事から、問い合わせの表示が無いことを指摘したうえで、「問い合わせ」をしました。
そうすると、広報広聴課からは、こんなメールが届きました。

問い合わせ項目がないことについて、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
この件につきましては問い合わせを受け、12月2日10時52分に修正いたしました。ご指摘いただき誠にありがとうございました。

もし私が指摘しなければ、ずっとそのままになっていたのではないかと思われます。
しかも、この「問い合わせ」をクリックし、「送信者の個人情報」と「問い合わせの内容」を書き終え、送信ボタンををクリックすると、次の画面になるのです。

ごらんのとおり、「お問い合わせの受付をいたしました」の文言のみが表示され、送信内容の控えは発信者に送られてきません(これとは別の「政策提言」から送信すると控えが届きます)。このことについて、広報広聴課は次のように言い訳しています。

各課の「問い合わせはこちら」から問い合わせをした場合でも、問い合わせ完了メールが届くように設定してほしいとのことですが、こちらについては、ホームページの仕様上、設定することができません

これもおかしな話です。同じ広報広聴課が扱う「政策提言やお問い合わせ、ご相談、ご指摘」「専用入力フォーム」経由で送信すると、送信内容が控えとしてすぐに届くようになっているのです。「ホームページの仕様上設定することができない」と言われても、市民としては納得できるものではありません。

🔷動画配信をしてみたものの…回を追うごとに減る視聴回数
上記「集い」講演については、YouTubeの上尾市公式チャンネル「あげTube」で配信されています。
ここでも、「
なお、講演動画、スライドの編集・転載などはご遠慮いただきますようお願いいたします」の文言と、次の注意書きがあります。
※動画は講演時間の関係で3つに分けて配信をしております。
※CM音量と本編動画の音量に差がありますので、お手元での調整をお願いします。

試しに、これらの動画の「視聴回数」を見てみると(12/8 午後11時現在)、
1本目=224回  2本目=63回  3本目=57回 (いずれも12/1配信開始)
あれれ? ただでさえ少ない視聴回数が、回を追うごとに減っています

1本目を見た方は、おそらく、飽きてしまったのでしょう。
たとえば、市内の小中学校の校長・教頭を合わせれば、70人近くいます。
どうやら、校長・教頭の全員が本日までに3本目を見ていないのは確実のようです。

*もしかしたら、当ブログが投稿されて以降、この動画の「視聴回数」が急増するかもしれません。どのくらい増えるものか(あるいは、さほど増えないか)についても観察していきましょう。

◎今記事では、広報広聴課がいかに「ご都合主義」であるかを含めて、「真実はこうして覆い隠される」実例を検証しました。
年末から来月末にかけて募集される「学校施設更新計画基本計画(案)」へのパブリックコメントを書く際にも、ぜひ今記事を参考にしていただければと思います。

“~真実はこうして覆い隠される~ 市HP〖トピックス記事〗を検証” への2件の返信

    1. コメント返しが遅くなってすみません。

      WARP(Web Archiving Project)は、「国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」というサービスです。
      消されたインターネットの情報を探すことができます(ただし、全部探せるというわけではありません)。
      「国立国会図書館 WARP」で検索し、サイトにアクセスし、今記事の場合だと、検索窓に「上尾市 コンプライアンス研修」と入力すると、消された〖トピックス記事〗を探すことができました。

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