上尾市「聖火リレーイベント」は、「臨時財政運営方針」に抵触するのでは?
前記事で、5月の定例教育委員会が、5月27日・市役所7階大会議室・傍聴定員20名になったことをお伝えしました。そちらもぜひお読みください。
(ここから今記事が始まります)
昨日、情報公開請求に対する「処分通知」がされました。これにより、「聖火リレー盛り上げイベント」なるものについての背景や詳細がある程度わかりました。同時に、新たな問題点が浮かび上がってきました。今記事では、このことについてお伝えします。
No.162
🔷情報公開請求の内容
上尾市教育委員会に対しておこなった情報公開請求書(4月28日請求・5月20日処分通知の手交)はこちら(PDF4頁。PCでの閲覧を推奨します。下部のボタンで改頁 & ズーム可能です)
🔷イベントの業務委託先 & 委託金額が判明
このイベントには、市税が使われます。業務委託先は、「TSP東日本株式会社 北関東支店」、また、委託金額は 1,692,658円 であることが判明しました。金額の内訳は、ステージ設置・司会進行などの費用です。
🔷美術展や市民音楽祭は中止とされたのに…
「聖火リレー盛り上げイベント」なるものが強行されようとする一方、上尾市美術展覧会(10月)や上尾市民音楽祭(11月)は、すでに中止する旨、4月の教育委員会で報告されています。
その理由は、「臨時財政運営方針」に基づく、というものです。
この「臨時財政運営方針」には、次の記述があります。
コロナ禍が収束するまでの間、市税収入の大幅減が継続することを前提として、次の5つの視点に基づいて事業を見直し、「危機対応モード」の財政運営を行うこととする。 (1)人件費の削減 (2)本市独自事業全般の見直し (3)各種イベントの休止・見直し等 (4)市民の安全確保等以外の工事や設備整備の先送り (5)各種補助金総額の削減 |
つまり、「危機対応モード」の「5つの視点」として、「各種イベントの休止・見直し等」が挙げられているのです。
すでに、「臨時財政運営方針」に基づくという理由で、市民の美術展覧会や音楽祭は中止とされました。そのような状況で「聖火リレー盛り上げイベント」なるものを実施するとしたら、全く整合性はなく、明らかに「臨時財政運営方針」に抵触するのではないでしょうか。
🔷この企画の多数の問題点
上述の問題点に加え、情報公開請求を通じて明らかになったのは、この企画には次に挙げるように、多数の問題点があるということです。
(情報公開の開示には、スポーツ振興課と生涯学習課が同席)
①誰が、いつ、この企画を提案したのか。 |
(スポーツ振興課の説明)企画自体は3年前(コロナ前)から、スポーツ振興課の発案による。その後コロナ禍となったが、企画自体を変更することはなく、今に至っている。 |
②このイベントは、市のHPには載ったが、市教委のHPに載せなかった理由は。 |
(スポーツ振興課の説明)市教委のHPに載せるということを忘れていた。 |
今回の「聖火リレー盛り上げイベント」は、トーチ巡回のときのように市長サイドからではなく、スポーツ振興課の発案だったそうです。
②についての説明には驚きます。どうやら、スポーツ振興課は教育委員会に属しているという自覚が無いか、あまりに教育的配慮に欠ける企画なので、教育委員会のHPには載せられなかったとも考えられます。
③「聖火リレー」と称して、スポンサーの車列が大音量でドンガラガッチャと通るのを知っているか。上尾でも同様なことが起きるのではないか。 |
(スポーツ振興課の説明)他の自治体の様子を見に、群馬県伊勢崎市と同太田市に行ったので、スポンサーの車列が大きな音で通るのは知っている。 ただ、聖火リレーを見に行ったので、スポンサー車列には関心が無い。 |
この発言にも正直驚きました。多くの自治体で、「聖火リレー」を見に行ったのにもかかわらず、大音量のスポンサーの車列ばかりが来て、市民から「見に行くんじゃなかった」という感想が出ているのは、調べればすぐにわかる話です。
参考:伊勢崎市聖火リレー(YouTube)
※音が大きいので視聴の際は注意してください。
④「臨時財政運営方針」に基づき、美術展覧会や音楽祭が中止になっている。その費用はいくらか。また、「聖火リレー盛り上げイベント」の費用の開示を。 |
(生涯学習課の説明)次のとおり。 市内美術展・音楽祭計 2020年度 1,241,000円 2019年度 約209万円 2021年度=中止のため計上せず (スポーツ振興課の説明)2021.04.26に契約済 委託先:TSP東日本株式会社 北関東支店 委託金額: 1,692,658円 |
🔷常軌を逸した企画は即刻中止すべきです
当ブログ記事No.156<上尾市は「聖火リレー盛り上げイベント」なるものを即刻中止すべきです>でも明らかにしましたが、「上尾市小中学校音楽会」や「上尾市中学校吹奏楽演奏会」は中止にしておいて、「聖火リレー盛り上げイベント」は強行するのは、教育的配慮に欠けると言わざるを得ません。
東京オリパラに延期・反対の意見は国民の7割とも8割とも言われています。こうした国民の声とは真逆に位置するこの企画は、即刻中止にすべきです。
>常軌を逸した企画は即刻中止すべきです
全くその通りです。「常軌を逸した」と云えば、東京都では、児童生徒81万人の観戦を学校引率で行うようです。観戦が感染になったら誰が責任を取るのでしょうか。
誰も取らないのでしょう。教育委員会も学校側もきっぱり拒否するべきだ。
高齢者ワクチン接種「7月末完了」のための大規模接種センターもトラブルだらけ、
国民よりも五輪を優先した結果がこの体たらく。
おっしゃるとおりです。
五輪強行路線で特徴的なのは、国民世論とは真逆な「常軌を逸する」ことがまかり通ることがあまりにも多いということです。
情報公開開示の際、スポーツ振興課・生涯学習課計4名の職員と面談しましたが、「東京五輪の意義は何か」と尋ねても、無言。
「では、日本の首相は東京大会について今までどう言ってきたのか」と聞いても、「わかりません」というばかり。
ある職員は、聖火リレーの際に、スポンサーの車列が大音量でがなり立てるという実態があることすら知りませんでした。
情報公開請求を通じて、これほど「何も知らない」職員と会ったことは今までありません。