「え? これが教育委員の発言?」疑問が生じた10月定例会

教育委員会定例会(10/19 9:30~10:29 市役所7階教育委員室)を傍聴しました。
席上、教育委員の発言への疑問、あるいは逆に「何でこれについて聞かないの?」と思ったことがありました。また、当ブログでは、教育委員に「追加質問」をおこないました。
今記事では、これらのことについてお伝えします。
※記事の中ほどに(追記)があります。

No.245

🔷「R3年度決算 不認定」を知らなかった職務代理者
10月は9月議会の翌月のため、市議会の状況が報告されます。
報告の概略は以下のとおりです。
IMG_20221020_0001

この報告について、大塚教育長職務代理者は「決算不認定になったということですが、その理由は?」と尋ねています。
これに対して、小田川教育総務部長は「補助金の使い方についての指摘がされて……ムニャムニャ(何か言ったようだが、よくわからない)」と答えたところ、大塚氏は「あ、そうですか。わかりました」とだけ言い、それ以上聞きませんでした。
決算が不認定となった場合は、地方自治法で次のように定められています。

《参考》地方自治法233条7項
第7項 普通地方公共団体の長は、第三項の規定による決算の認定に関する議案が否決された場合において、当該議決を踏まえて必要と認める措置を講じたときは、速やかに、当該措置の内容を議会に報告するとともに、これを公表しなければならない。

上尾市議会では以前(2019年12月議会)にも決算が不認定となり、地方自治法に基づき、次のような措置を講じています。
1.適正な契約事務執行に向けた措置
(「随意契約ガイドライン」の策定/チェック機能の強化、など)
2.コンプライアンスの確保に向けた措置
(職員倫理条例の制定など)

少なくとも大塚氏は教育委員として、しかも「教育長職務代理者」であるならば、市議会の状況(9月議会で何が決まり、何が決まらなかったのか)くらいは把握しておくべきではないでしょうか。

🔷内田委員の発言に「??」
9月議会では、16人の議員から「教育関連」にかかわる様々な質問がされました。
どれもが、現在の上尾市の教育をめぐる問題であり、深掘りの必要があるものです。

たとえば、次のような質問です。
*中学校部活の地域移行について
*図書館のサービスについて
*校則について
*特別教室・給食室へのエアコン設置について
*教職員の過酷な勤務状況の改善を
*小中統廃合計画の見直しを

定例の教育委員会では、議員からの質問と当局の答弁を、市教委事務局が「教育総務部関連」と「学校教育部関連」とに分けて文書と口頭で報告するという流れになっています。
しかしながら、どの質問・答弁を取り上げて説明するかは市教委事務局に委ねられており、極めて恣意的と言えるやり方です。

他の事案も含めて、「報告」が終わると、教育委員が質問をします。
10月定例会では、「??」と思わせる質問が内田教育委員から出されました。

(樋口敦議員の質問より)
*校則の見直しの内容としては、市内の中学校でどのような事例があるのか。
(学校教育部長)
*校則の見直しの事例といたしましては、女子の制服において、スカートとスラックスから選択できるようにした例がございます。また、靴や靴下の色の選択肢を広げている例もございます。

この「報告」についての内田教育委員の質問は次のような内容でした。

(内田教育委員の質問)
*スカートとスラックスの選択を可能としている学校は市内で何校あるのか。
(事務局回答)
*市内全11校で可能となっています。

続いて内田教育委員は、次のような趣旨の発言をしています(正確な文言は11月に公開される会議録を参照してください)。

(内田教育委員の発言)
*市内全校で選択できる点は了解しました。女子の制服のスカートは、自転車で登校する際に、車輪などに引っかかることもあるので、スラックス可というのは良いと思います。

傍聴していて、この発言には「???」となりました。
少なくともこの発言からは、内田教育委員の発言には、ジェンダーレスの観点は無いと言わざるを得ません。

校則の問題について言えば、
*生徒の意見表明権が重要視されているか。
*「校則」「学校の決まり」などが学校のHPで公開されているか。
*「校則」は誰のために、何のためにあるのかが明らかにされているか。
*「セーターは可でカーディガンは不可」などという決まりの根拠があるのか。
*ジェンダーレスの観点で「決まり」が作成されているか。 etc.

などの点から「教育的観点からの論議」がされるべきです。

(追記)今記事をアップしたことをツイッターに投稿したところ、「教育的観点が無いのはまずいが、機能面の指摘は良いのではないか」というご意見をいただきました。
確かにそういう面もあると考え、当ブログでは「(教育委員としては)機能面も重視しながら、ジェンダーレスの観点も忘れずに発言する」ことを望むものです。

🔷教育委員への書簡(質問その4)を渡してもらいました
当ブログでは、教育委員への書簡(質問)を市教委事務局経由で渡してもらいました。
その記事がこちら⇒5名の教育委員に向けた「3つの質問」の書簡を渡してもらいました

前回の教育委員への書簡が、7月4日付けですから、すでに3か月以上経過しています。
そろそろ返事(回答)が来てもよさそうなものですが、「なしのつぶて」状態のため、前回の続きとして「質問その4」を市教委事務局経由で渡してもらいました。
以下がその内容です。

上尾市教育委員会 教育委員 〇〇〇〇 様         2022年10月19日

前略

去る2022年7月4日、教育委員のみなさまに3問の質問をさせていただきました〇〇〇〇です。
その際、私のほうで「期限は特に設けておりませんので、ごゆっくりお考えになってご返送ください」と書き添えました。その時から3か月以上経過しましたので、そろそろご返事をいただければ幸いです。

今回、教育委員のみなさまにはご多忙の折、大変申し訳ございませんが、次の質問を1問追加させていただきます。

(質問その4)

同封した「小中学校における特別教室及び給食室へのエアコン設置に関する請願」にかかる《参考人陳述》(2022.09.06 上尾市議会文教経済常任委員会)について、ご存じでしょうか。
もし、ご存じなければ、この《参考人陳述》をお読みになって、どうお考えですか。
[なお,当該請願については、上記文教経済常任委員会および上尾市議会本会議(2022.09.30)の席上、全員一致で採択されています。]

大変恐縮ですが、今回は来月の末日(2022.11.30)を期限とさせていただきたいと存じます。
ご回答につきましては、前回の質問(その1 ~ その3)と併せて、すでにお渡ししてあります返信用封筒にてご返送いただくよう、重ねてお願い申し上げます。

 特別教室と給食調理室へのエアコン設置については、9月議会の一般質問でも取り上げられていることが、教育委員会10月定例会でも「報告」されています。
それについては「完全スルー」した教育委員のお歴々ですが、今回の[質問その4]には何と答えるのでしょうか。それとも今回も「なしのつぶて」になるのでしょうか。
当ブログでは、このことについても動きがあり次第お伝えしていきます。