「小規模校潰し」には[今ある学校をなくさないで!]の市民の声を
上尾市(教育委員会)が画策する「上尾市学校施設更新計画基本計画」。(以下、今記事では「学校統廃合計画」と略記します)
当ブログで何度か指摘しているように、その本質は「小規模学校潰し」です。
5/28に上尾市文化センターで開催された「上尾の学校統廃合を考える市民集会」(以下、「市民集会」)に、私(当ブログ館主)も参加してきました。
今記事では、この集会に参加して考えたことなどについてお伝えします。
No.276
🔶「市民集会」で語られたこと
今回の「市民集会」は、前半は「上尾の学校統廃合を考える市民連絡センター」&現職教員からの報告、後半は参加者の意見交流でした。
発言の内容から、元教職員や地域自治会の方、保護者、PTA役員など様々な立場の方が参加していることがわかりました。
会場はほぼ満席で、2時間を超える集会は次のような中身でした。
5/28 上尾の学校統廃合を考える市民集会 主催:上尾の学校統廃合を考える市民連絡センター |
〇新たな「学校統廃合計画」の内容と問題点 〇子供たちにとって良い学校とは (以上 市民連絡センター事務局&共同代表より) 〇いま学校で問題になっていること、子どもたちの願いは (以上 現職の上尾市内中学校の教員から) |
[学校統廃合計画の問題点]
「学校統廃合計画」は、当初の計画は市内33校を22校にするなど、非常に乱暴なものでした。各方面から反対意見が寄せられ、畠山市長が「当初の計画の見直し」を表明しましたが、それを受けて、議会調査特別委員会は全員一致で「市長宛ての提言」(*経費35%の枠にとらわれず *施設の長寿命化も検討 *教育的観点に主眼 *市民に広く周知し市民の声を聴取)を提出しています。
こうした経緯を踏まえたうえで、「市民集会」では、当ブログNo.271記事でお伝えした、上尾市庁内横断組織である「検討委員会」の要点記録簿(当初は黒塗り。審査請求により公開済み)によって明らかになった「上尾市教委による学校統廃合に関する本音の部分」について、市民連絡センター事務局から報告がされました。
「学校統廃合計画」上尾市教育委員会事務局の本音(開示された要点記録簿より) |
*小中一貫教育については、基本的には小中一体の学校を考えていること。 |
*小学校は6学級、中学校は8学級以下の規模が5年以上続くことが見込まれた場合、統廃合を含めた学校再編について検討を開始する=「小規模校を解消」するための検討であること。 |
*建物の長寿命化では「スケルトン工事(=建物の骨組み以外を全て解体する工事)を義務化して延命するわけではない」としていること。 |
[最初の計画ではこんな話が出されていました]
(ブログ館主からの補足)
「学校統廃合計画」に関しては、当初、上尾市教育委員会事務局と教育委員の間では次のような話がまかり通っていました。
教育委員会2021年1月定例会会議録より ⇓
内田委員は、「上平小と上平北小との統廃合で上平中が移転するのか」と聞いています。
これについて、池田教育総務課長は「上平北小を上平小の敷地に統合する案である」と明言しています。この案は、現在も市教委事務局の本音として残っていると考えられます。しかも、教育長が「よろしいでしょうか」と言うと、委員全員「はい」と答えています。
この会議録からもお分かりのように、上尾市の教育委員は「教育委員会事務局の提案に全員一致・異議無しで無批判に従う装置」であることは明らかです。
[教育的観点から]
市民センター共同代表からは、「子どもは基本的に学校が好き」であることや、「少人数学級や小規模学級の意義」について、次のように指摘されました。
(大規模学校)
*主体性が育ちにくい。大勢の中の一人。受身になる子ども。
*授業の画一化。管理や規則が必要。
(小規模学校)
*授業・行事にみんなが積極的に責任をもって貢献できる。
*一人ひとりの子どもの学習状況が踏まえられる。
*主体的に参加して、教室の文化が創られる。
[現場の教員からの切実な声]
*市内で最も大きな中学校に勤務
*クラスの人数は39人(40年前と全く変わっていない)
*不登校が増えている。人の目が怖い。圧力を感じるという普通の子たち。
*教員の不足。他校に掛け持ちでの授業。時間割を組むのが大変。
*時間外労働は月に80時間超えが常態化。
*空き教室が無い。少人数授業が出来ない。
*雨漏りしても修理がされていない。教室ロッカーに荷物が収まらない。
*トイレの悪臭。3年女子生徒のトイレは和式5・洋式1という状況。
*特別教室へのエアコン整備はされていない。
(市議会で全員一致で請願が採択されたのに、どうして?) など
[市民集会参加者の発言から]
*上尾市教委は市民・保護者の声を聴こうとしない。(元教員)
*学校規模が小さいと、PTA役員のなり手がいないという面もある。民間プール利用について、保護者には事後報告になっている。(保護者)
*いじめ・不登校が増えているのではないか。(地域から)
*上尾にはフリースクールが無い。他の自治体では費用が高い実態。(保護者)
*学校全体や教師に余裕が無いように思える。(保護者)
*子どもたちが楽しいという時間に給食がある。上尾市教委は調理員の確保が困難と言っており、外部委託が懸念される。(給食守る会)
*学校統廃合について、市長との懇談会が設定できないか。(地域の方) など多数
🔶「学校統廃合」計画の本質は「小規模校潰し」
「市民集会」で配布されたチラシには、次のように書かれています。
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ここに書かれていることは、当ブログでも何度か指摘してきたことです。
小規模校の良さを見直すことが今こそ必要です。
🔶「今ある学校をなくさないで!」署名のとりくみ
「上尾の学校統廃合を考える市民連絡センター」では、「統廃合で、今ある学校をなくさないでください」「今ある学校施設の計画的な大規模改修・補修を行ってください」という要望署名のとりくみをおこなっています。
署名についてのお願い文と署名要旨は次のとおりです。
署名用紙はPCで画面を右クリック、「画像を保存」した後、プリントアウトし、署名後ファックスでも送れるようです(送付先は署名用紙に明記されています)。
(署名のお願い文)
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(署名用紙)
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当ブログもこの署名活動に賛同し、全面的に協力していきます。
また、当ブログでは、引き続き市民の権利として認められている方法(審査請求を含めた情報公開請求や住民監査請求など)により、「上尾市教育委員会が画策する本音」を深掘りしていき、その状況などについてお伝えしていきます。