市教委事務局から「完全にコケにされた」教育委員たちの《資質》とは

当ブログ No.289記事 でお伝えしたとおり、市内中学校で起きた《いじめ問題》に関し、私(当ブログ館主)は情報公開請求しました。
「処分通知」の手交の際は、担当者として、市教委事務局指導課と秘書政策課の職員(
計3名)が同席しました。請求事項の大半は「文書不存在による非公開」とされてしまいました(その理由は、担当課がやるべきことをやっていないということによります)。
開示請求した一部については、私が求めていたものとは異なる(市長あての請求なのに処分通知の発出者が教育委員会になっている)
ため、当方から再度趣旨の説明をした後、再提出を依頼したものもあります。これらの情報公開の結果については、当ブログで整理したうえで、後日お伝えします。

一方で、指導課や秘書政策課との面談の中で気づかされたこともあります。
たとえば、8月3日に「教育委員会臨時会」が開催され、主な議題は教科書採択の件でしたが、傍聴者を退席させた後になって、今回の《いじめ問題》の「報告」がされているのです(HP上での事前予告無し)。
その会議録については、「いつの間にか」公開という形になっていますが、市民の中で同臨時会の会議録が9月28日に公開されたということに気づいた方はほとんどいないでしょう。
今記事では、「教育委員会臨時会」の際の大塚崇行教育長職務代理者の発言に着目し、市教委事務局と教育委員との関係性についてお伝えします。

No.292

🔸「教育委員会8月臨時会」の会議録を見るためには
上尾市HPの教育委員会のページには、「新着更新情報」が掲載されており(現在は「一覧」に行かないと見ることができません)、2023年9月28日更新をクリックすると、「令和5年教育委員会9月定例会 会議結果概要」が表示されてしまうのです。


8月の臨時会の会議録は、会議名「令和5年教育委員会 第2回臨時会」をクリックしない限り、見ることができないのです。

🔸大塚教育長職務代理者の発言とは
教育委員会8月臨時会(2023.08.03)の会議録(全部で35頁ありますが、《いじめ事案》については、P31~P35まで)を見ると、今回の《いじめ事案》についての「報告」とそれについての各教育委員の発言が掲載されています。
この臨時会は、西倉教育長が「体調不良」との理由で欠席のため、大塚崇行教育長職務代理者が司会進行しています。《いじめ事案》について、大塚崇行氏は臨時会の最後に次のような発言をしています。

🔸大塚崇行教育長職務代理者の発言から分かる2つの事実
前記の大塚氏の発言ですが、これを読むと次の2つのことが分かります。

[1.何も知らない(関心が無かった)教育委員たち]
注目すべきは、大塚崇行教育長職務代理者の次の発言です。

「教育委員会が開かれる度にいじめの件数の報告がありますが、これだけの重大事態があったということが、令和4年5月に学校に報告されていて、私ども教育委員に伝わることがなく、表に出てこなかったこと、私ども教育委員がこのことを聞いたのはつい最近のことですので、これだけの重大なことが報告されないということにも問題があるのかもしれません」

これは、現在の上尾市の教育委員たちが「いじめ問題」に関心を寄せていなかったことの証左と言え、別の言い方をすれば「自分たち教育委員の恥さらし」です。

【大塚氏は「いじめ調査委員会」が6回開催されたことを知らない】

当ブログでは、今回の「いじめ調査委員会」についての記事を発信しています。

*2022.12.23 No.253記事
*2023.02.09 No.260記事
*2023.03.25 No.266記事

この3つの記事の中で、たとえば N0.266記事では次の指摘をしています。

今回は議案・報告事項ともに件数が多かったものの、例によって5名の教育委員による「全員一致・異議無し」により全て採択されました(結果概要参照)。

この中に、報告事項として「令和5年2月 いじめに関する状況について」があり、「いじめの件数・解消した件数」について報告されました(担当:指導課)。
しかしながら、「いじめ問題調査委員会で現在調査中の事案があります」といった報告がされたことはありません。また、教育委員からも、調査についての進捗状況などの確認がされることもありません
おそらく、「いじめ問題調査委員会」が今年度5回開催されていることや、新年度になってすぐに「令和5年度 第1回 いじめ問題調査委員会(前年度からの通算回数は6回目)」が開かれることも教育委員の誰も知らない(あるいは関心が無い)のではないでしょうか(知っていたら、さすがに確認くらいはするでしょうから)。

その「いじめ問題調査委員会」は「会議開催のお知らせ」として市教委HPでも告知されています(ただし、傍聴は不可で、開催結果はHP等で公表されません)。

(上記「会議開催のお知らせ」は、現在は削除されています)

いかがでしょうか。当ブログでこの記事を投稿したのは、今から半年以上前のことです。
この頃から、当ブログでは《いじめ重大事態の問題》に対する「教育委員の無関心さ」について指摘をしてきたのです。
当ブログでは、今まで何度か教育委員あてに手紙を出し、当ブログの記事についても紹介してきました。ちゃんと当ブログの記事を読んでいれば、今回のような恥さらしの事態にはならずに済んだはずです(あまり言いたくありませんが、教育委員としての月額報酬はきちんともらっていますよね?)。

[2.慇懃無礼で肝心なことを伝えない市教委事務局]

ブログ記事No.267では、私が教育委員会の定例会を傍聴していて非常に気になっていることについて、次の指摘もしています。

私が傍聴した教育委員会3月定例会は、議題が多かったことから、1時間ほど経過した時点で休憩を取りました。その際、事務局全員が立ち上がり、教育委員が中座するのを待っているという光景がまた見られました。傍聴者(市民)としてはっきり言いましょう。

「教育委員が離席する際に、市教委事務局全員で立ち上がって見送るのは、ものすごく気持ち悪いからやめてほしい」

 上述の大塚崇行教育長職務代理者の発言と重ね合わせると、次のように整理できます。

*市教委事務局は、定例の教育委員会の際などは、表面だけ取り繕って教育委員が離席する際などは事務局全員が立ち上がって見送るなどしているが、その実、大塚崇行氏が言うように、今回の《いじめ重大事態》については、「いじめ問題調査委員会」の会合が開かれた昨年の11月以降、9か月にわたって教育委員にその事実を伝えていなかった。

平たく言えば、まさに市教委事務局は教育委員たちを「完全にコケにしている」と言えるでしょう。

◎今記事を読んでいただいた方は、すでに上尾市の教育委員の《資質》がどのようなものであるか、お気づきの(あるいは再確認した)ことと思います。
当ブログ記事を読まずとも、少なくとも市教委HPの「新着情報」でどのような会議が開催されるのかについて確認をしておくことなどは、教育委員として最低限の責務ではないでしょうか。1か月に1度か2度、ちょこっと思いつきの発言をして全ての議案に賛成することだけが教育委員の仕事ではないはずです。

今記事で指摘したように、これだけ市教委事務局に「コケにされて」も、相変わらず上尾市の教育委員たちは定例会等で「全員一致・異議無し」を続けていくつもりでしょうか。当ブログでは、事実に即して教育委員会事務局と教育委員たちに注目していきます。

“市教委事務局から「完全にコケにされた」教育委員たちの《資質》とは” への6件の返信

  1. 今回の記事で、教育委員って、教委のホームページを見ないんだということがわかりました。
    それでいてお金を貰っているって…
    どうなんですかね

    1. コメント、ありがとうございます。
      まあ、そういう《資質》だから上尾の教育委員として「任命」されたとも言えます。
      大塚教育長職務代理者も、市教委事務局から何も伝えられていないので、思わず「本音」の発言をしたのでしょうが、結果的には自ら墓穴を掘ってしまいましたね。
      それにしても、当ブログで以前に指摘したように、杉並区とは雲泥の差があります。
      杉並区は人口が上尾の3倍なのに、教育委員は4名。それも女性2名・男性2名です。

  2. 1重大事態に対するマニュアルについて

    いじめの重大事態に対する対応については「上尾市いじめの防止等のための基本的な方針」及び各学校が作成している「いじめ防止基本方針」で書かれています。

    しかし下記のように「いじめ防止対策推進法」で、直ちに警察に通報することとされていますが、両方針ともこのことについて全く書かれていません。

    いじめ防止対策推進法
    第二十三条 
    6 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。

    両方針に「いじめ防止対策推進法第二十三条」の内容を追加すべきとの要望を教育委員会にしたところに10月3日に指導課より下記の回答がありました。

    上尾市教育委員会では、令和5年8月に「いじめ重大事態対応マニュアル」を作成いたしました。
    その中で、ご指摘いただいた内容について記載しております。
    なお、このマニュアルについては、今後市のホームページに公開する予定でございます。

    この回答について電話で問い合わせたところ下記のことがわかりました。
    ① 「いじめ重大事態対応マニュアル」は8月に出来たが、1か月以上経過した現在も学校には伝えていない。よって各学校が作成する「いじめ防止基本方針」は改訂されておらず、未だに直ちに警察に通報することになっていない。
    ② 各学校が作成する「いじめ防止基本方針」だけではなく「上尾市いじめの防止等のための基本的な方針」もいじめの重大事態への対処が以前の記述のままとなっている。
    ③ 8月に作成した「いじめ重大事態対応マニュアル」の公開については、いろいろと事情があるとのことで早急に公開する姿勢が全く感じられない。

    2教育委員会指導課の対応について

      9月の月初に指導課に、いじめの重大事態ついての対応を文部科学省の通知通りに行っているかを問い合わせたところ、「通知に沿って行っている」との回答がありました。

     そのことについて電話で詳細を確認したところ、「通知に沿った対応を全くおこなっていない」ことがわかりました。

     そこで文書で「行っていないもの」を「行っている」というのは虚偽回答では
     ないかと問い合わせたところ、指導課から電話がありました。

     いろいろと言い訳をしていましたが、「これから通知に沿ってやっていくので
     信じてくれ。文書での回答は勘弁してくれ」ということでした。

     そこで、文書での回答は求めないこととし、早急に対応するという指導課の言葉を信じることにしました。

     しかし、一か月後に指導課に問い合わせたところ、全く対応していないことがわかりました。

    そのことについて説明を求めたところ、何を聞いても「貴重なご意見をいただきありがとうございます」、「そのことは上に伝えます」と一切の説明を拒否しました。

     この対応は、上尾市職員倫理条例第3条3「職員は、職務の遂行に当たっては、市民その他市政に関わりのある者に対して業務に関する説明を十分に行い、理解と協力を得るよう努めなければならない」に違反すると考え、職員課に問い合わせ中です。

     

     
     

    1. コメント、ありがとうございます。
      実名でのコメントですが、本文も含めて、そのまま掲載いたします。
      >1 重大事態に対するマニュアルについて
      これについては、ご指摘の点を含めて、現在情報公開再請求中です。
      コメントをいただいたので、現状や背景がよくわかりました。
      >2 教育委員会指導課の対応について
      これは酷い対応ですね。指導課のN職員でしょうか。
      現在再請求中の情報公開請求は13項目にわたりますので、私のほうでも担当課から連絡がありしだい、確認をしてみます。
      文末の「上尾市職員倫理条例第3条3項」に違反するという視点は私のほうにはありませんでしたので、再請求の状況を見た上で、ご指摘の点をあらためて情報公開請求していきましょう。
      引き続き、お気づきの点を教えてください。よろしくお願いします。

      1. 上尾市職員倫理条例
         この条例は、職員の職務に係る法令の遵守および倫理の保持に関して必要な措置を講ずることにより、職務の遂行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、公務に対する市民の信頼を確保することを目的に、令和2年4月に施行しました。

        と職員課のホームページにありますが、上尾市教育委員会は疑惑や不信を招く行為が多すぎると思います。

        9月27日放送
        クローズアップ現代

        命の法律”が守られない 岐路に立ついじめ対策

        いじめ防止対策推進法が施行されて10年

        全国のいじめ事案で被害者側の代理人を務めてきた石田達也弁護士

        いじめが深刻化する背景には“法律を守らなくてもいい”という教育現場の意識があると感じる。

        学校側の対応が問題になった裁判で、“法律には看過しがたい欠陥がある”と教育委員会が主張したこともある。

        上尾市教育委員会は大丈夫でしょうか?

        1. コメント、ありがとうございます。

          >上尾市教育委員会は大丈夫でしょうか?
          ➡ はっきり言って、かなり末期的症状だと思います。
          根本的には、学校から「吸い上げられて」ある年度から急遽「指導主事」や「指導課長」などの役職に就かされ、数年後に学校に戻っていくという「負のループ」が原因です。
          これは、主幹教諭や教頭が「指導主事」になるケースと、校長が課長または部長になるケースがあり、指導課・教育セに12名、学務課に2名、学校保健課に1名、現場の教員・教頭・校長だった職員がそれぞれ配置されています。学校では(教頭・校長試験合格者に限りますが)いつ教育委員会事務局に呼ばれるか分からないため、教委に「抗う」はずがないのです(自分で自分の首を絞めることになるため)。
          この「負のループ」を断ち切らない限り、「上尾市教育委員会ムラ」は正常に機能しないと私は考えています。
          「上尾市職員倫理条例」の視点は私も見落としていたため、次回以降情報公開請求する際には、具体例を示しながら、「このような状況で上尾市教委は大丈夫なのか?」という観点で開示請求していきます。

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