NHK《河瀨直美が見つめた東京五輪》での虚偽報道。国会の場でも真相解明を
昨年暮れに放映されたNHKBS1スペシャル「河瀨直美が見つめた東京五輪」は、その内容も虚偽報道が含まれているものであり、それについての「謝罪」を含めたNHKの対応も問題となっています。今記事では、このことについてお伝えします。
No.201
🔶虚偽報道の中身とは
この番組『BS1スペシャル/河瀨直美が見つめた東京五輪』については、暮れということもあり、タイトルを見ただけで私はスルーしていました。
その後、この番組の中で虚偽報道が含まれており、NHKが「謝罪」(後述するように、形だけのものですが)したということを知りました。
これについては、「杉原こうじのブログ」が詳しく伝えています。このブログは「転送・転載歓迎」ということなので、「NHKに抗議を!河瀨直美が見つめた東京五輪」の一部を引用します。
この画面を見ただけでも、あまりにも酷く、悪質な報道であると言えます。
公園に缶ビールを片手に現れた男性が「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という発言など、あり得ないことがこの番組の制作者にはわからないのでしょうか。
男性は、ABCニュースによれば、<公式記録映画の取材をしていた島田角栄監督が、デモや集会の場ではない街頭で複数の人に意見を聞く中で出会った人物>ということです。
🔶番組放映のあとのNHKの対応は
番組放映後に多くの批判を受けたこともあり、NHKは次のような「謝罪」をしています。「何、これ?」というような「おわび」の文章です。「男性が五輪反対デモに参加していたかどうか、確認できていないことがわかりました」「NHKの担当者の確認が不十分でした」ということは、確認をすすめていけば、この男性が「実はお金をもらって動員されている」こともあり得る、とでも言わんばかりの書きぶりです。
「河瀨直美さんや映画製作チームに密着取材」していると言いながら、「河瀨直美さんや映画監督の島田角栄さんには責任はありません」というのは、全く整合性に欠けます。
しかも、「視聴者のみなさま」へのおわびは最後にとってつけたように書かれています。
視聴者よりも映画製作などの関係者への謝罪が優先するとでもいうのでしょうか。
🔶番組内での河瀨直美氏の問題発言
《リテラ》の記事<NHKで河瀨直美監督「五輪を招致し喜んだのは私たち」発言に批判殺到! 番組は「五輪反対デモは金で動員」と印象操作>(青字をクリックすると《リテラ》に飛びます)によれば、『BS1スペシャル/河瀨直美が見つめた東京五輪』の中で河瀨直美氏は、次のように発言しています。
「日本に国際社会からオリンピックを7年前に招致したのは私たち」
「(開催が決まって)喜んだし、ここ数年の状況をみんなは喜んだはず」
「これはいまの日本の問題でもある。だからあなたも私も問われる話。私はそういうふうに(映画で)描く」
冗談ではありません。「一緒にしないでくれ」と言いたくなります。
軽々しく「私たち」などという言葉を使わないでもらいたいです。
《リテラ》の記事を見てみましょう。
「私たち」が招致して、開催が決まって「みんな」が喜んだ……!? 言わずもがな、招致に動いたのは森喜朗だの石原慎太郎だの安倍晋三だのといった五輪利権や政権浮揚しか頭にない政治家たちであって、断じて「私たち」ではない。 そして、「復興五輪」を掲げながらダシに使われただけの被災地や、五輪に伴う再開発で霞ヶ丘団地からの立ち退きを迫られた高齢者たち、さらに利権まみれな上に国威発揚に利用される国策五輪を批判する人びとなど、東京五輪に反対を唱えてきた人も数多くいた。なのに、河瀨監督は「みんなは喜んだはず」「あなたも私も問われる話」などと乱暴にひとまとめにしたのだ。 |
🔶消えた3枚の画像
NHKの対応の酷さは、上述の件だけではありません。
次の画像をごらんください。
Before
「おわび」前のNHKの番組案内
After
画像削除後のNHK「BS1スペシャル番組案内」(現在)
見事に3枚の画像が消えています。これについて、前出の杉原こうじさんは次のように説明しています。
ビフォーアフター。NHKの #河瀬直美が見つめた東京五輪 の案内から、番組画像3枚が削除されている。特に右から2枚目は島田角栄監督が撮影した映像を河瀬直美監督とチェックしているところ。その中に「五輪反対デモはお金で動員」とのデマ取材も含まれていた可能性が高い。悪質な証拠隠滅か。 |
NHKは、なぜ、これら3枚の画像を消す必要があったのでしょうか。おそらく、「番組をチェックしているところ」は、どうしても消さなくては都合が悪かったからでしょう。
🔶当ブログの東京オリパラ関連記事
当ブログでは、一貫して2020東京オリパラに否定的な立場での投稿をしてきました。
その関連記事は次のとおりです(青字をクリックすると、その記事に飛びます)。
No.158:<(緊急)宇都宮けんじ氏の呼びかけによる「東京五輪反対」の署名>
No.159:<宇都宮けんじさん、オリパラ反対署名を5月14日提出&記者会見>
No.162:<上尾市「聖火リレーイベント」は「臨時財政運営方針」に抵触するのでは?>No.165:<常軌を逸した「聖火リレーに伴う上尾市独自イベント」は中止を!>
No.166:<大野知事は、一刻も早く「公道での聖火リレー」中止の決断を!>
No.168:<「安全・安心」など、全くの噓っぱち。「危険・不安」だらけの東京五輪>
No.174 :<「強行五輪祭り」開催中&終了後のコロナ感染拡大は「身の危険」レベル>
No.175:<五輪TV放送の影響>
国もそうですが、上尾市の「オリパラ関連イベント好き」も相当なものです。コロナ禍など関係ないような姿勢・対応が目立ちます。なお、オリパラ関連で上尾市が関わっている事案があり、現在私のほうで検証中ですので、時期を見て当ブログでお伝えします。
🔶次々と去った、招致に関わったメンバーたち
今さらそれぞれの理由を述べる必要もないくらい、2020年東京五輪招致に関わったメンバーたちは表舞台から去って行きました。安倍元首相、猪瀬元都知事、竹田元JOC会長、森喜朗東京五輪・パラリンピック組織委員会前会長…
国民が強行五輪開催によってあらためて気づかされたのは、オリンピックは、結局バッハ会長をはじめとしたIOC貴族のために開かれるのだということでしょう。
もうひとつ、私は「オリンピックを前のように楽しめなくなった」ことが残念です。
🔶「文春砲」だけでなく、国会でも真相解明を
上の写真は、明日発売の週刊文春の見出しです。もしかしたら、新事実が出てくるかもしれません。ですが、受信料を取っている公共放送がしでかした、虚偽の放送ですから、「不適切な字幕」などという話で終わりにしてはなりません。
ぜひ、国会でも徹底的に追及して、真相を解明するべきです。