「上尾市図書館 利用者アンケート(5/31迄)」を出しませんか

(追記)上尾市図書館に要望したところ、本館1階の利用者アンケートの設置場所が少し西側に移動しました。この結果、今までより目立つ位置になりました(記入用の机・椅子もあります)。

現在、上尾市図書館では「利用者アンケート」を実施しています。
web・紙の両方で、「おひとり1回提出」とのことです。)
この取組は、2月に開かれた「図書館協議会」で提案されたものですが、アンケートの内容については、疑問符がつく設問もあります。
しかしながら、当ブログで指摘しているように、上尾市図書館が本来の「市民の図書館」になるためには、多くの利用者の方がこのアンケートを提出することが必要です。
今記事では、このアンケート自体の問題点や、上尾市図書館が抱えている問題などについてお伝えします。

No.220

🔶「利用者アンケート」web提出と「紙」での提出の違い
アンケートを提出する方法は2通りあります。ただし、どうしてそうしたのかは謎ですが、webで提出した場合と、図書館に置いてある「紙」を提出する場合とでは、設問の内容が違うのです。主な違いを整理してみましょう。

webで提出する場合 「紙」で提出する場合
Q9 「レファレンスサービス」とは何かについての説明がない。知りたければ、図書館HP内の「図書館のサービス」メニューに出ているということか。 Q6 小さい字であるが、「レファレンスサービス」についての説明がある。
最後に「図書館への要望・意見等、お気付きの点があればご記入ください」の欄がある。ただし、非常に記入しにくい。画面表示が1行しかない上に、改行が出来ない。 要望・意見等についての自由記述の欄が無い。

多少の字句の違いは仕方ないとしても、大きな違いは上の2つです。
とりわけ「紙」で提出する場合には「自由記述欄が無い」ことについては、後日集約する際に、どのような形で結果を知らせるのでしょうか。
今からでもアンケート用紙のレイアウトなどを工夫して、webと同様、紙での回答も自由記述欄を設けるべきではないでしょうか。
また、webでのアンケートは画面が1行しか無いため、非常に記入しにくいものになっています。改行すると、「記入内容確認」のページに飛んでしまうのは、どうにかならないものでしょうか。

🔶アンケートの設置場所への疑問
では、図書館本館の場合、このアンケート(紙)がどこに置かれているでしょうか?
実は、1階北側、新しくできた閲覧席の手前左側に「ひっそりと」置かれているのです。
この場所では、階段を上がって2階に行く利用者は気がつかないのでは?
しかも、2階の貸出・返却カウンターには「アンケート記入のお願い」などの表示もされていないのです。正直言って、利用者アンケートに取り組む上尾市図書館側の熱意が伝わってきません(これについては、場所を変更するなり、カウンターに場所を表示するなりの対応をしてほしい旨上尾市図書館に伝えました)。

🔶設問そのものへの疑問
「どのようなテーマの資料を利用しているか」という質問(紙はQ5、webはQ8)は、「総記」から始まっています。
これはNDC(日本十進分類法)によるものですが、「総記」に含まれる具体的な資料はどのようなものがあるか、説明が必要ではないでしょうか。

参考:NDC新訂10版(第2次区分表)より

「総記」01 図書館、図書館情報学 02 図書、書誌学 03 百科事典、用語索引 04 一般論文集、一般講演集、雑著 05 逐次刊行物、一般年鑑 06 団体、博物館 07 ジャーナリズム、新聞
08 叢書、全集、選集 09 貴重書、郷土資料、その他の特別コレクション

設問の「総記」~「文学」まではNDC(日本十進分類法)による分類であり、それ以降は図書館が付記したものであると思われます。

🔶web版での「意見自由記述」欄は説明不足
実際にweb版で最後の自由意見を記入したところ、以下のことが分かりました。
字数は最大250字まで
①などの丸数字は使用不可
前後に空白があると送信できない」(=これについては意味不明)
「字数オーバー」や「丸数字使用」は送信できません。これは実際にアンケートを入力してみて初めて分かったことです。どこにもそのことは書かれていないので、明らかに説明不足です。面倒ですが、別に250字までの原稿を用意し、コピーし、回答欄に貼りつける方法があります。

🔶意図不明な図書館協議会委員の発言
この「利用者アンケート」ですが、前年度の図書館協議会の議題になりました。
傍聴していて「え
?」と思ったのは、図書館協議会委員の次の発言です(強調のために色替えしてあります)。

D委員: アンケートの取り方について、館内設置は問題ないが、webアンケートで同一人物が 100 件くらい同じ意見で投稿した場合、区別がつくのか。送信したアドレスを入力させリターンする方式など採用し重複を避ける工夫が必要と考える。

この委員さんが心配しているのは、「webアンケートで同一人物が 100 件くらい同じ意見で投稿した場合、区別がつくのか」ということです。つまり、利用者の中には、ひとりで同じ意見を100件投稿する人もいるのではないか、という心配をしているようですが、発言の意図は不明です。この委員にとっては、投稿された内容を分析するよりも、多重投稿のほうが気になるようです。
断言してもよいですが、上尾市図書館の利用者で、ひとりで100件も同じ意見を投稿する人などいないでしょう。こうした発言にも、現在の図書館協議委員の資質が見えてきます。

🔶当ブログで指摘してきた上尾市図書館の問題点
当ブログでは、上尾市図書館の運営や利用者サービスについての問題点を何度か指摘してきました。以下、主な指摘事項や問題点を整理してみます。

*上尾市図書館には、市民が関心を寄せている社会的問題(学校統廃合関連など)について、肯定的な立場の資料しか蔵書が無いという問題 ⇒ 記事No.210
*図書館協議委員の資質の問題 ⇒ 記事No.209
*開館日と運営方式の問題 ⇒ 記事No.198
*館長が司書資格を有していない問題 ⇒ 記事No.196

*電子図書館の問題点 ⇒ 記事No.183
*県立図書館とのレファレンスサービスの差 ⇒記事No.181
*上尾市図書館には、図書館法で定める司書・司書補がいないという問題 ⇒ 記事No.25

まだまだありますが、このくらいにしておきます。
重要な点は、上尾市図書館が本来の意味で「市民の図書館」として利用者の要望に沿うためには、上記のような問題をひとつひとつ解決していくことです。
たとえば、館長が司書資格を有していないという問題は、4月の人事異動によりひとまず解決しています。

 

今記事では、上尾市図書館の「利用者アンケート」についてお伝えしてきました。
様々な問題点や、すぐにでも解決していかなければならない課題はありますが、上尾市図書館が市民や利用者の学びを支える教育機関であることを再確認するためにも、今回の「利用者アンケート」を提出することをおすすめします。
webでの提出はこちら ⇒ 「上尾市図書館 利用者アンケート」